靡く 意味
- なびく ②
※一※ (動カ五[四])
(1)草や布などの先端が風や水の流れに従って横に傾き伏す。
「旗が風に―・く」「煙が―・く」「妹が門見む―・けこの山/万葉 131」
(2)相手の威力に引き寄せられて,従う。また,女性が男性に言い寄られて受け入れる。
「主流派に―・く」「お嬢さんはどつちへ―・いたかい/草枕(漱石)」
※二※ (動カ下二)
⇒なびける
関連用語
打靡く: 遵従する; 付随う; 靡く; 随う; 添う; 遵奉する; 奉ずる; 服する; 順従する; 体する; 従う; 順守する; うち靡く; 循守する; 遵守する; 付き従う; 奉じる; 打ち靡く; 打ちなびく; 則する; 服す; 服従する; 随順する; つき従う
うち靡く: 打ち靡く; 打ちなびく; 則する; 奉じる; 打靡く; 随順する; つき従う; 服す; 服従する; 添う; 遵奉する; 奉ずる; 順従する; 服する; 付随う; 遵従する; 靡く; 随う; 順守する; 従う; 循守する; 遵守する; 付き従う; 体する
打ち靡く: うちなびく ※一※ (動カ四) (1)草・木・髪などが,横になる。なびき伏す。 「―・く我が黒髪に霜の置くまでに/万葉 87」 (2)人が横になる。寝る。 「阿騎の野に宿る旅人―・き寝(イ)も寝(ヌ)らめやも古(イニシエ)思ふに/万葉 46」 (3)相手の意に従う。 「さうじみもいささか―・きて思ひ知り給ふこと有るべし/源氏(総角)」 ※二※ (動カ下二) 攻撃して服従させる
靡き藻: なびきも 流れや波になびいている藻。
靡き易: なびきやす すぐ相手の言いなりになるさま。 「思むすぼれたる心にや,いとぞ―なる/有明の別」
靡ける: なびける (1)なびくようにさせる。なびかせる。 「ぬばたまの我が黒髪を―・けて居らむ/万葉 2532」 (2)従わせる。服従させる。 「和泉・河内の両国を―・けて/太平記 6」
靡き: なびき ③ (1)なびくこと。 「ささげたる旗の―は/万葉 199」 (2)指物(サシモノ)の一。先細りのよく撓(シナ)う棹(サオ)に縦長の旗を付けたもの。 →撓(シナ)い(3) (3)富士谷成章の用語。動詞の活用語尾ル・レ,シク活用形容詞の活用語尾キをいう。「越ゆる」「越ゆれ」のル・レ,「恋しき」のキなど。
靡ぶ: なぶ なびかせる。 「婦負(メヒ)の野のすすき押し―・べ降る雪に/万葉 4016」 →おしなぶ
靡かせる: 靡かす
靡然: びぜん ◎ なびき従うさま。特に,多くの者が同じ傾向をもったり,同じ行動をとったりするさま。 「当時の医流にして苟(イヤシク)も気概ある者は,―として実学の風に帰せざるはなく/福翁百余話(諭吉)」
靡かす: なびかす ③ (1)風・水の動きによって動くままにする。 「長髪を―・す」 (2)相手を自分の意に従わせる。 「時の有職と天の下を―・し給へる/源氏(賢木)」
面: おも ① (1)表面。うわべ。 「池の―」 (2)顔。顔つき。 「―知る児らが見えぬころかも/万葉 3068」 (3)面影。様子。 「寝もとか子ろが―に見えつる/万葉 3473」 〔現代では「おもやせ」「おもやつれ」「おもなが」などの形で用いられる〕 ; おもて ③ (1)かお。顔面。 「―を伏せる」 (2)ものの表面。 「湖の―」 (3)能などの面。仮面。 (4