あくがる 意味
- 【憧る】
〔「がる」は離れる意〕
(1)心や体が居るべき所から離れてさまよう。浮かれ出る。
「思ひ余りわびぬる時は宿離(カ)れて―・れぬべき心ちこそすれ/古今六帖 2」「物思ふ人のたましひは,げに―・るる物になむありける/源氏(葵)」
(2)心が強くひきつけられて,じっとしていられない気持ちになる。
「入道は心澄み果つまじく―・れてながめゐたり/源氏(松風)」
(3)何かに心をうばわれてぼんやりする。うわの空になる。
「世の中をいとはかなきものに思して,ともすれば―・れ給ふを/栄花(様々の悦)」
(4)男女の仲がうとうとしくなる。
「御中も―・れて程へにけれど/源氏(真木柱)」
- あくがた 【悪形・悪方】 「悪人方(アクニンガタ)」に同じ。
- あくがらす 【憧らす】 〔動詞「憧る」の他動詞化〕 (1)放浪させる。 「かくのみ―・しはつるはいとあしきわざなり/蜻蛉(中)」 (2)うかれ出させる。 「さくら花なにし心を―・すらむ/風雅(春中)」
- あくがら・す 【憧らす】 (動サ四)(動詞「憧る」の他動詞化)(1)放浪させる。「かくのみ―・しはつるはいとあしきわざなり/蜻蛉(中)」(2)うかれ出させる。「さくら花なにし心を―・すらむ/風雅(春中)」
- あくが・る 【憧る】 (動ラ下二)(「がる」は離れる意)(1)心や体が居るべき所から離れてさまよう。浮かれ出る。「思ひ余りわびぬる時は宿離(カ)れて―・れぬべき心ちこそすれ/古今六帖 2」「物思ふ人のたましひは,げに―・るる物になむありける/源氏(葵)」(2)心が強くひきつけられて,じっとしていられない気持ちになる。「入道は心澄み果つまじく―・れてながめゐたり/源氏(松風)」(3)何かに心をうばわれてぼん
- あくが強い 灰汁が強い
- くが 【陸】 姓氏の一。 ; 【陸】 りく。陸地。おか。くにが。くぬが。 「我を―に厄(タシナ)め,また我を海に厄むや/日本書紀(神武訓)」
- あく 【悪】 ※一※ ① (名) (1)わるいこと。否定すべき物事。道徳・法律などに背く行動や考え。 ⇔善 「近代社会が内包する―」「―の道に走る」「―の限りを尽くす」 (2)演劇で,敵役。悪役。 (3)〔近世語〕 悪口。悪態。 「よく―をいひなんす。ちつとだまんなんし/洒落本・妓娼精子」 ※二※ (接頭) 名詞に付いて,畏敬の念を抱かせるほど荒々しく強い意を表す。 「―七兵衛」「―源太」 ――に強
- がる 〔動詞五[四]段型活用〕 (1)形容詞,形容動詞および助動詞「たい」の語幹に付いて,そのように思う,そのように感じるの意を表す。 「うれし―・る」「かわい―・る」「あわれ―・る」「見た―・る」 (2)形容詞,形容動詞の語幹および一部の名詞に付いて,そのように振る舞う,そのようなふりをするの意を表す。ぶる。 「強―・る」「痛―・る」「得意―・る」「興(キヨウ)―・る」
- 善がる・良がる よがる ② (1)よいと思う。満足に思う。うれしがる。得意になる。悦に入る。 「滅多に高価なる洋服を被(カウム)り…以て―・りたがるしれものもありけり/当世書生気質(逍遥)」 (2)快感を声や表情に表す。 「―・るはず是は九州肥後の国/柳多留 49」
- 怖がる・恐がる こわがる ③ ある物や事をひどくおそれる。おびえる。 「犬を―・る」
- 跨がる・股がる またがる ③ (1)両足を開いて乗る。 「馬に―・る」 (2)一方から他方に至る。わたる。 「一都三県に―・るプロジェクト」「其の宮…北の方洛浜に―・れり/大慈恩寺三蔵法師伝(承徳点)」 〝可能〞 またがれる
- 黒がる・玄がる くろがる 玄人(クロウト)のふりをする。粋人ぶる。 「―・るはすいにあらず/洒落本・間似合早粋」
- おくが 【屋瓦】 屋根がわら。
- かくが 【鶴駕】 〔周の霊王の太子晋が仙人となり白い鶴に乗って去ったという「列仙伝」の故事から〕 (1)皇太子の車。 (2)仙人の乗り物。
- くがい 【公界】 (1)公の場所。おおやけのこと。表向き。晴れの場。公的な用事。 「述懐は私事,弓矢の道は―の義/太平記 19」 (2)ひとなか。ひとまえ。世間。公衆。 「さやうの事を仰せられたらば,―で恥をかかせられう/狂言・花争」 (3)交際。ひとづきあい。 (4)「苦界(クガイ)」に同じ。 (5)課役。 ――をする (1)世間へ出る。公の場に出る。 「男子は公界をもする者なれば/反故集」 (2)
例文
- この「あく」は「あくがる」(心が元の所から離れていくという意味、現代語の「あこがれる」)に見られ、「こと」「ところ」を表す形式名詞であったと推定される。