あせ 意味
- 【吾兄】
二人称。女性から男性を親しんで呼ぶ語。助詞「を」を伴い,歌の場の囃子詞(ハヤシコトバ)として用いた。あなた。
「脇机(ワキヅキ)が下の板にもが,―を/古事記(下)」
- 【汗】
(1)哺乳類の汗腺から分泌される分泌物。成分の99パーセント以上は水で,他は乳酸・塩化ナトリウムなど。体熱を放散させて体温の調節を助ける温熱性発汗と,興奮したときや感覚的な刺激を受けたときに起こる精神性発汗とがある。﹝季﹞夏。
「―をかく」「手に―を握る」
(2)肉体的な労働や苦労のたとえ。
「―にまみれて働く」
(3)物の表面につく水滴。
(4)血をいう斎宮の忌み詞。
「血を―と称す/延喜式(神祇)」
――にな・る
汗水を流す。汗みずくになって働く。
「―・りて飛廻るもをかしく/たけくらべ(一葉)」
――の結晶(ケツシヨウ)
努力・苦労を積み重ねて得られた成果。
――を入・れる
一休みして汗をふく。汗をひっこめる。
「皆々―・れにける/浄瑠璃・妹背山」
――をか・く
(1)汗が出る。
(2)はらはらして,冷や汗が出る。冷や汗をかく。
(3)(水蒸気が冷やされて)固体の表面に水滴が生じて湿る。
「窓ガラスが―・く」
――を流・す
(1)(風呂・シャワーなどで)体についた汗を洗い落とす。
(2)精を出して働く。
――を握(ニギ)・る
⇒手に汗を握る
- あせい 【阿世】 世の中の大勢(タイセイ)におもねること。世にこびへつらうこと。 「学は以て媚俗―の器具となりし時/求安録(鑑三)」 →曲学阿世 ; 【亜聖】 〔「亜」は次ぐ意〕 聖人に次ぐすぐれた人。特に,孔子に対して孟子または顔回(ガンカイ)をいう。 ; 【蛙声】 カエルの鳴く声。
- あせす 【汗す】 ⇒あせする
- あせび 【馬酔木】 ツツジ科の常緑の大形低木。関東以西の山野に自生し,庭木ともする。早春,壺形(ツボガタ)の白い小花を枝先に総状に多数つける。有毒で,馬が食べると麻酔状態になるというので「馬酔木」と書く。葉は殺虫剤に,材は細工物にする。アセボ。アシビ。アセミ。アシミ。 〔「馬酔木の花」は ﹝季﹞春〕
- あせぼ 【汗疹】 〔「あせいぼ」の転〕 あせも。﹝季﹞夏。 ; 【馬酔木】 アセビの別名。
- あせみ 【馬酔木】 アセビの別名。
- あせも 【汗疹】 汗のために皮膚にできる,小さな赤い水泡(スイホウ)性湿疹(シツシン)。かゆみを伴う。夏,乳幼児や皮膚の弱い人にできやすい。あせぼ。汗疹(カンシン)。汗瘡(カンソウ)。﹝季﹞夏。《なく声の大いなるかな―の児/虚子》
- あせり 【焦り】 あせること。気がいらだつこと。 「敵に―の色が見えてきた」「相手の―を誘う」
- あせる 【焦る】 (1)早くやろう,うまくやろうと思っていらいらする。 「勝ちを―・って失敗する」 (2)気がはやって,足をばたばたさせる。 「―・る上馬(アガリウマ)に乗りて/梁塵秘抄」 ; 【褪せる】 〔「浅(ア)す」と同源〕 (1)時間が経過したり,光線が当たったりして,色・つやなどが薄くなる。色がさめる。 「色―・せた洋服」 (2)もとの美しさや力を失う。衰える。 「色
- あせ・す [1] 【汗す】 (動サ変) あせする
- あせ・する [1] 【汗する】 (動サ変) [文] サ変 あせ・す 汗をかく。多く,努力して事をするさまにいう。「額に―・して働く」
- あせ・る [2] 【焦る】 (動ラ五 [四] ) (1) 早くやろう,うまくやろうと思っていらいらする。「勝ちを―・って失敗する」 (2) 気がはやって,足をばたばたさせる。「―・る上馬(アガリウマ)に乗りて/梁塵秘抄」
- あせ-かき [2] 【汗掻き】 汗をかきやすい体質。また,その人。あせっかき。
- あせ-たけ [2] 【汗茸】 担子菌類ハラタケ目の毒きのこ。食べると発汗して死ぬことがある。夏から秋にかけて,林下の地上に生える。傘は茶褐色で径3~5センチメートルの円錐形。繊維質で,放射状に裂ける性質がある。
- あせ-だく [0] 【汗だく】 (形動) (「汗だくだく」の略) 汗をびっしょりかいているさま。また,汗を流して,忙しく働くさま。「―になって畑を耕す」
- あせ-とり [3] [0] 【汗取り・汗袗】 汗を吸い取らせるためにじかに肌に着ける下着。 [季] 夏。
例文
- 色あせたジーンズは今でも流行っている。
- じっくりあせらずに治すことが大切です。
- 彼は新しい仕事を始めようとあせっていた。
- 寝室のカーテンは端が色あせてきた。
- パスポートが見つからなかった時、とてもあせった。
- 日光で看板の文字があせた。
- あせって仕事を仕上げようとすれば、無用な間違いを犯す。
- 妻に明日は誰とどこに行くのかと質問され、あせってしどろもどろな回答をしてしまった。
- なんとかしなきゃ 本当にあせってるのよ
- あせって打ってきたら 肘でブロックする