あてど 意味
- 【当て所】
〔(2)が原義〕
(1)めあてとする所,またはもの。心あたり。あて。
「―(も)なくさまよう」
(2)あてる所。あてるべき所。
「太刀の―少しさがりたりければ/保元(中)」
- あてどころ 【宛て所・当て所・充所】 (1)あて名。文書を差し出す相手。あて書き。 (2)心あたり。目的。[日葡]
- あてどもなく 【当て途もなく】aimlessly.
- あて 【貴】 (1)身分や家柄が高く貴いさま。高貴だ。 「―なるも賤しきも/竹取」 (2)上品である。優美だ。 「色はいよいよ白うなりて,―にをかしげなり/源氏(宿木)」 ; 【檔】 (1)反りやすく,もろい低質の木材。生長の偏りからおこる。陽疾(ヨウシツ)。 (2)センダン{(1)}の古名。梟首(キヨウシユ)の木とされた。 ; 【私】 〔「わて」の転〕 一人称。わたし。京阪地方で,主に女性が用い
- たてど 【立て所・立て処】 (1)立てる場所。たてどころ。 「刀の―もおぼえずして/平治(中)」 (2)特に筆の置きざま。筆づかい。 「筆の―もよのつねならず/平家 9」
- てどお 【手遠】 手元から遠い・こと(さま)。 「刀脇差は―に置き/仮名草子・浮世物語」
- てどく 【手得】 将棋で,先手・後手が応酬して一段落した結果,一方が手数において得をすること。 ⇔手損
- てどめ 【て留め】 連歌・俳諧で,一句の末を「て」で留めること。第三句目に多く用いる。て留まり。 →三(ミ)て五(ゴ)らん
- てどり 【手取り】 (1)(多く「手捕り」と書く)素手で捕らえること。生け捕りにすること。 「苦もなく之を―にしたが,今度のも前と同じく雌であつた/日本北アルプス縦断記(烏水)」 (2)糸を,手で繰り取ること。手繰り。 (3) ◎ 収入から税金・経費などを差し引いた,実際に自分の手に入る金額。 (4)口のある湯沸かし。やかん。 「石の如くにして焼けざるものの,―の勢なるあり/沙石 7」
- あて-あて 【当て当て・宛て宛て】それぞれに割り当てること。「―に奉り給へれば/宇津保(俊蔭)」
- あいてどる 【相手取る】 争いの相手とする。特に,訴訟の相手とする。 「国を―・って訴訟を起こす」
- いてどけ 【凍て解け】 こおっていた大地が,春になって解けゆるむこと。また,早春の頃,夜間凍っていた地面が朝日を受けたり暖かい風が吹いたりして,急にぬかるみになること。﹝季﹞春。《―の径光りそむ行手かな/野村泊月》
- おもてど 【表戸】 家の表の戸。
- くつてどり 【沓手鳥】 ホトトギスの異名。
- ごてどく 【ごて得】 「ごねどく」に同じ。
- すてどころ 【捨(て)所】 捨てるのにふさわしい場所。 「行水の―なき虫の声/鬼貫句選」
例文
- 一人の従者とともにあてどもない旅に出ることになる。
- 深い森の中を、独り言をつぶやきながら、下向きがちにあてどなく散歩する若者がいる。
- この先様々な困難が待ち受け、いつか三平は母に会えるのか? そんな3人のあてどない旅が始まった。
- 最愛の弟縄樹と恋人ダンを亡くした悲しみから付き人のシズネを連れてあてども無く各地を放浪していた。
- 一件が解決した後、剣と、おるいの「お父っつぁん」との呼び掛けに見送られ、あてどない旅の空へと消えていった。
- 冒頭では、二人の男が会話を交わしている様子と、その横を茫然自失の様であてどもなく歩く、美しく若い女性が描かれる。
- 田舎から上京して就職したものの1日でクビになり、あてどもなくさまよっていた時に「ドボガン」の前で行き倒れ、助けられた。
- 春日山城下を撤退した武田勢はこの頃、春日山城・御館と坂戸城の間をあてど無く徘徊していただけであったが、結果的に景虎方・小田原北条勢に対する抑止力となった。
- 歩き回る恐竜や巨大トカゲ、猿人におびえながらトマクは火山礫の砂漠をあてどもなく放浪の末、海岸にたどり着き、穴居部族より進んだ文化を持つ部族のシェル族と出会う。
- 遊牧民は定住型の人々からは一般にあてどもなく移動しているかのようなイメージを抱かれやすいが、実際には拡大家族ごとに固有の夏営地・冬営地などの定期的に訪れる占有的牧地をもっていることが普通で、例年気候の変動や家畜の状況にあわせながら夏営地と冬営地をある程度定まったルートで巡回している。