あからし 意味
- 【懇し】
胸のしめつけられるような気持ちである。ひどい。心に痛切に感じられるさまにいう。
「などか来ぬ,とはぬ,憎し,―・しとて/蜻蛉(下)」
関連用語
あからしま: 【暴】 にわかなさま。急なさま。あかしま。あからさま。 「白狗―に出て大樹の臣を逐ふ/日本書紀(雄略訓)」
あからしま-かぜ: 【暴風】 暴風(ボウフウ)。あかしまかぜ。「海の中にして卒(ニワカ)に―に遇ひぬ/日本書紀(神武訓)」
あからしまかぜ: 【暴風】 暴風(ボウフウ)。あかしまかぜ。 「海の中にして卒(ニワカ)に―に遇ひぬ/日本書紀(神武訓)」
あから: 【赤ら】 〔「ら」は接尾語〕 (1)他の語の上に付いて複合語をつくる。(ア)赤みを帯びているさまを表す。 「―顔」(イ)つやつやと赤みを帯びて,美しいさまを表す。「―おとめ」 (2)〔飲めば顔が赤くなるところから〕 酒の異名。 「先祖より酒の家に生れ,―飲めと言はれてこのかた/浮世草子・二十不孝 5」
からし: 【辛し・鹹し】 ⇒からい ; 【芥子・辛子】 〔形容詞「からし」の終止形の名詞化〕 芥子菜の種子を粉末にしたもの。黄色で辛みがある。粉末のまま,あるいは練って香辛料とし,薬用にも使う。
あからか: 【赤らか】 〔「か」は接尾語〕 赤く鮮やかなさま。あかあか。 「紅(ベニ)といふもの,いと―にかい付けて/源氏(常夏)」
あからがお: 【赤ら顔】 日焼けや酒焼けで,赤みを帯びた顔。 「―の男」
あからく: 【赤楽】 楽焼きの一。素地(キジ)に酸化鉄を含む黄土を塗って赤く着色し,鉛質の透明釉(ユウ)をかけて,摂氏約八〇〇度の低火度で焼いたもの。茶碗が多い。
あからけし: 【赤らけし】 赤みを帯びている。 〔用例は「あからけみ」の形しか見られない〕 →赤らけみ
あからけみ: 【赤らけみ】 〔「み」は接尾語〕 赤味をおびているので。 「初土(ハツニ)は膚―/古事記(中)」 →赤らけし
あからけ-み: 【赤らけみ】 (「み」は接尾語) 赤味をおびているので。「初土(ハツニ)は膚―/古事記(中)」 赤らけし
あからさま: □一□隠さず,ありのまま外にあらわすさま。明白なさま。露骨なさま。 「内情を―に言えば…」「―な違反行為」「―に不満を述べる」 □二□ (1)にわかなさま。急なさま。 「逐(オ)はるる嗔猪(イカリイ),草中より―に出でて人を逐ふ/日本書紀(雄略)」 (2)きわめて短い時間であるさま。一時的なさま。ちょっと。 「十月つごもりがたに,―に来て見れば/更級」 (3)(「あからさまにも」
あからひく: 【赤ら引く】 (1)赤く輝く意から,「日」「朝」にかかる。 「―日も暮るるまで嘆けども/万葉 619」 (2)赤みを帯びて美しい意から,「肌」にかかる。 「―肌も触れずて寝たれども/万葉 2399」
あからぶ: 【赤らぶ】 赤みを帯びる。あからむ。 「赤王の御―・び坐し/祝詞(出雲国造神賀詞)」 ; 【明らぶ】 心を晴らす。 「山川の浄き所をば孰(タレ)と倶にかも見行(ミソナ)はし―・べたまはむ/続紀(宝亀二宣命)」
あからむ: 【明らむ】 夜が明けて,空が明るくなる。 「空が―・む」 ; 【赤らむ】 ※一※ (動マ五[四]) (1)ちょっと赤くなる。赤みを帯びる。 「桜のつぼみが―・む」 (2)(興奮・恥ずかしさなどで)顔色が赤くなる。 「恥ずかしさに顔も―・む思いをする」 ※二※ (動マ下二) ⇒あからめる