- 【兄御】
兄を敬っていう語。
- あに: 【豈】 (1)(打ち消しの表現を伴って)決して。 「我(ア)が恋に―まさらじか沖つ島守/万葉 596」 (2)(下に反語の表現を導いて)どうして。 「夜光る玉といふとも酒飲みて心を遣るに―しかめやも/万葉 346」 ――図(ハカ)らんや どうしてそんなことを考えようか,考えもしない。意外にも。 「―,生きて再び会おうとは」 ; 【兄】 (1)同じ親から生まれた年上の男。年上の男のきょうだい。
- あにい: 【兄い】 (1)あにき。あに。 (2)勇み肌の若者。また,その者を呼ぶ語。
- あにき: 【兄貴】 〔「兄君」の転という〕 (1)兄を親しんで,また敬っていう語。 (2)若者・職人またはやくざなどの間で,年長の男,または勢力のある男。 「―分」「悪徒を集(ツド)へ波之助は―と称へられ/高橋阿伝夜叉譚(魯文)」 (3)自分より年長であること。また,年長の男。 「君は僕より―だし/多情多恨(紅葉)」