あまつ-そら 意味
- 【天つ空】
(1)空。大空。あまつみそら。「―にも例に違へる月日,星の光見え/源氏(薄雲)」
(2)遠い所。また,まったく縁がないこと。「―なる人を恋ふとて/古今(恋一)」
(3)宮中。雲の上。「ことの葉を―まで聞こえあげ/古今(雑体)」
(4)心の落ち着かないさま。うわのそら。「我(ア)が心―なり土は踏めども/万葉 2887」
関連用語
あまつそら: 【天つ空】 (1)空。大空。あまつみそら。 「―にも例に違へる月日,星の光見え/源氏(薄雲)」 (2)遠い所。また,まったく縁がないこと。 「―なる人を恋ふとて/古今(恋一)」 (3)宮中。雲の上。 「ことの葉を―まで聞こえあげ/古今(雑体)」 (4)心の落ち着かないさま。うわのそら。 「我(ア)が心―なり土は踏めども/万葉 2887」
あまつ: 【天つ】 〔「つ」は「の」の意の上代の格助詞〕 天の。天にある。天上界に所属する。
あまつかぜ: 【天つ風】 空を吹く風。 「―雲の通ひ路吹きとぢよ/古今(雑上)」
あまつかみ: 【天つ神】 天上界にいる神。また,天から下った神。 →国つ神
あまつくに: 【天つ国】 天上の国。あめのくに。 「請ふ姉(ナネノミコト)―を照し臨みたまはむ/日本書紀(神代上訓)」
あまつさえ: 【剰え】 〔「あまりさへ」の転。近世以前は「あまっさへ」。「あまさへ」とも表記した〕 (1)そればかりか。そのうえに。 「折りからの大雪,―車の故障」「お国と姦通し,―…中川で殿様を殺さうといふ/怪談牡丹灯籠(円朝)」 (2)事もあろうに。あろうことか。 「南都の大衆同心して,―御むかへにまゐる条,これもつて朝敵なり/平家 5」
あまつつみ: 【天つ罪】 (1)古代の罪の概念の一。共同体の農耕に関する不法行為やタブー。延喜式によれば,畔(ア)放ち・溝埋め・樋(ヒ)放ち・重(シキ)播(マ)き・串(クシ)刺し・生け剥(ハ)ぎ・逆剥(ハ)ぎ・糞戸(クソヘ)の八種。 ⇔国つ罪 (2)朝廷による処罰。 「恭(ツツシ)みて―を行へ/日本書紀(継体訓)」
あまつばめ: 【雨燕】 (1)アマツバメ目アマツバメ科の鳥の総称。全長10~25センチメートル。ツバメに似るが,翼が著しく細長く,鳥類中最も速く飛ぶことができるという。翼が鎌(カマ)のように見えるので,カマツバメとも呼ばれる。 (2)アマツバメ{(1)}の一種。全長約20センチメートル。体は黒褐色で腰が白い。海浜・高山などの岩壁にすみ,昆虫を食う。日本には夏鳥として渡来。
あまつぶ: 【雨粒】 雨のつぶ。あめつぶ。
あまつまら: 【天津麻羅】 古事記神話の鍛冶(カジ)の神。天照大神(アマテラスオオミカミ)が天の岩屋戸にこもった時,祭祀(サイシ)の準備のために登場した。
あまつみず: 【天つ水】 ※一※ (名) 天上の水。雨。 「―仰ぎてそ待つ/万葉 4122」 ※二※ (枕詞) 日照りに雨を待つ意で,「仰ぎて待つ」にかかる。 「―仰ぎて待つに/万葉 167」
あまつ-おとめ: ―ヲト― 【天つ少女】 (1) 天女。天人。「久かたの―が夏衣/新古今(雑上)」 (2) 五節(ゴセチ)の舞姫。「くやしくぞ―となりにける/後撰(雑一)」
あまつ-かぜ: 【天つ風】 空を吹く風。「―雲の通ひ路吹きとぢよ/古今(雑上)」
あまつ-かみ: 【天つ神】 天上界にいる神。また,天から下った神。 国つ神
あまつ-くに: 【天つ国】 天上の国。あめのくに。「請ふ姉(ナネノミコト)―を照し臨みたまはむ/日本書紀(神代上訓)」