あまりごと 意味
- 【余り事】
(1)よけいなこと。行きすぎたこと。
「象ばかりに乗ていと善かりつるを,獅子に乗るが―/今昔 5」
(2)あまりにも虫のいいこと。法外なこと。
「いかに面目あらましと―をぞ思ひてのたまふ/源氏(真木柱)」
関連用語
決まりごと: 決まり事
さだまりごと: 【定まり事】 (1)きまっていて動かぬこと。さだまっていること。 (2)前世の因縁。運命。 「死は前生よりの―といへり/浮世草子・織留 6」
あまり-ごと: 【余り事】 (1) よけいなこと。行きすぎたこと。「象ばかりに乗ていと善かりつるを,獅子に乗るが―/今昔 5」 (2) あまりにも虫のいいこと。法外なこと。「いかに面目あらましと―をぞ思ひてのたまふ/源氏(真木柱)」
あまり: 【余り】 ※一※ (名) (1) ③ (ア)余ったもの。残り。「三人で分けると―が出る」「―の毛糸で手袋を編む」(イ)割り算で,割り切れずに残った部分。残り。剰余。 (2) ◎① (「…のあまり」の形で副詞的に用いる)ある事の程度がはなはだしいために別の事態を引き起こすこと。 「驚きの―口もきけない」「感激の―泣き出した」 ※二※ ③ (形動) (1)程度がはなはだしいさま。並
まりごうろ: 【毬香炉】 球形の透かし彫りの香炉。中の火炉がジャイロスコープ状に水平を保つようになっている。空薫(ソラダキ)などに用いられる。宮殿調度では「香嚢(コウノウ)」とよび,小型のものを「袖香炉」とよぶ。
かえりごと: 【返り言・返り事】 〔「かへりこと」とも〕 (1)使いが帰って来て報告すること。復命。 「たひらけく早渡り来て―奏(モウ)さむ日に/万葉 4264」 (2)返事の言葉。答え。 「翁かしこまりて,御―申すやう/竹取」 (3)返歌。 「この―いとおとなしければ/十六夜」 (4)もらったお礼の贈り物。お返し。返礼。 「あざらかなるものもてきたり。よねして―す/土左」
かわりごと: 【変(わ)り事】 常とは変わった事柄。異変。へんじ。
くりごと: 【繰(り)言】 同じこと,特に愚痴(グチ)などを何度も繰り返して言うこと。また,その言葉。 「老の―」
たよりごと: 【便り事】 消息。音信。 「花・蝶につけたる―は/源氏(胡蝶)」
つくりごと: 【作り事】 (1)作った物。 (2)実際にはないのにあるようにこしらえた事柄。こしらえごと。うそ。 「―を言う」
ねすりごと: 【ねすり言】 あてこすり。いやみ。 「兄嫁御の―聞きづらや聞きにくや/浄瑠璃・重井筒(上)」
のりごと: 【宣り言・告り言・詔】 (天皇の)おおせ。みことのり。 「勅(ミコトノリ)を―する時に/日本書紀(敏達訓)」 ; 【法事】 ⇒ほうじ(法事)
はかりごと: 【謀・籌】 〔「計り事」の意。近世初期まで「はかりこと」〕 (1)事がうまく運ぶように前もって作り上げた計画・手段。特に,悪事を企てること。計略。たくらみ。 「―をめぐらす」 (2)先のことを考えて,心構えや準備をしておくこと。また,その心構え。 「弓箭に携はらん者の―は尤かうこそあらまほしけれ/平家 1」 ――は密(ミツ)なるを良(ヨ)しとす 〔三略(上略)「将謀欲密」〕 計
ひぞりごと: 【乾反り言】 すねて無理を言うこと。また,その言葉。 「無理酒に気強い朝の―/長唄・正札附」
ひとりごと: 【ひとり言】 連歌論書。一巻。心敬著。1468年関東下向中に成立。応仁の乱の都の荒廃,連歌界の状況,連歌風体論など,往時の回想と無常観を随筆風に述べる。 ; 【一人言・独り言】 (1)相手がいないのにひとりでものを言うこと。人に聞かせるというわけでなく,ひとりで無意識に言うこと。また,その言葉。独語(ドクゴ)。 「―を言う」 (2)書名(別項参照)。