あやかす 意味
- だます。たぶらかす。また,愚弄(グロウ)する。
「皆のものもそいつを―・して遊ぶ/黄表紙・間違狐之女郎買」
関連用語
あやかき: 【綾垣】 古代絁(アシギヌ)で作った,模様のある帷帳(トバリ)。部屋の仕切りなどに用いた。 「―のふはやが下に/古事記(上)」
あやかし: (1)船が難破する時,海上に現れるという怪物。 「いかに武蔵殿。この御船には―が憑いて候/謡曲・船弁慶」 (2)不思議なこと。怪しいこと。また,妖怪。 「太鼓持に貧乏神の―が付いたと観念すべし/浮世草子・禁短気」 (3)ばか者。愚か者。[日葡] (4)コバンザメの異名。[和訓栞] (5)能面の一。亡霊や怨霊(オンリヨウ)などに用いる男面。 ; (1)弱々しい。ひよわである。
あやかり: (1)得体の知れないもの。怪しいもの。霊。また,たたり。あやかし。 「夫は御―をするもの也/三体詩抄」 (2)愚鈍。まぬけ。 「何たる―か,貴方に此二王の書をば盗まれつらうぞ/四河入海 11」
あやかり者: 肖り者
あやかり-もの: [0] [6] 【肖り者】 他の人があやかりたいとうらやむほど幸せな人。果報者。「世の人―とて舛掻(マスカキ)をきらせける/浮世草子・永代蔵 1」
あやかる: 【肖る】 (1)好ましい状態にある人の影響が及んで,自分も同じような状態になる。 「あなたの幸運に―・りたい」 (2)物事に触発されて,動揺する。揺れ動く。 「風はやみみねのくず葉のともすれば―・りやすき人の心か/拾遺(雑恋)」 ‖可能‖ あやかれる
あやか・し: (形シク) (1) 弱々しい。ひよわである。「―・しさうな体(テイ)はなうて,けなげさうに有つたぞ/毛詩抄 18」 (2) はっきりしない。不明瞭である。 [ヘボン(三版)]
あやか・す: (動サ四) だます。たぶらかす。また,愚弄(グロウ)する。「皆のものもそいつを―・して遊ぶ/黄表紙・間違狐之女郎買」
あやか・る: [3] 【肖る】 (動ラ五 [四] ) (1) 好ましい状態にある人の影響が及んで,自分も同じような状態になる。「あなたの幸運に―・りたい」 (2) 物事に触発されて,動揺する。揺れ動く。「風はやみみねのくず葉のともすれば―・りやすき人の心か/拾遺(雑恋)」 [可能] あやかれる
あまやかす: 【甘やかす】 (子供などを)きびしくしつけないでわがままな行動を許す。 「一人っ子なので―・されて育った」
うやかす: 【飢かす】 飢えさせる。 「母を―・し殺したりし/太平記 35」
おびやかす: 【脅かす】 (1)相手が恐怖や不安を感じるようにする。おびえさせる。 「拳銃をちらつかせて―・す」「貝を吹き,鼓を打て鹿を―・して/今昔 5」 (2)今ある好ましい状態が存続しがたいようにする。あやうくする。 「地位を―・す」「安全が―・される」 ‖可能‖ おびやかせる
かがやかす: 【輝かす・耀かす・赫かす】 〔近世初期まで「かかやかす」〕 (1)かがやくようにする。きらめかす。 「目を―・して話を聞く」 (2)威光・威力などを示す。 「母校の名誉を―・す」 (3)きらびやかにする。まぶしいほど立派にする。 「扇など,みめには,おどろおどろしく―・さで,よくなからぬさまにしたり/紫式部日記」
さかやかす: 【栄やかす】 栄えさせる。 「ふたたび家を―・し給へり/平治(下・古活字本)」
そびやかす: 【聳やかす】 高くする。肩などをいからせる。 「肩を―・す」