あり-と-し-ある 意味
- 【有りとし有る】
(連語)
(「し」は強意の助詞)
「ありとある」に同じ。「―人は皆浮雲(フウン)の思ひをなせり/方丈記」
関連用語
あり-と-ある: 【有りと有る】 (連語) すべての。あらゆる。ありとあらゆる。連体詞的に用いる。「家の中に―もの,声を調(ソロ)へて泣かなしむ/平家 12」
と-ある: [2] (連体) 偶然目についたり行き当たったりした場所であることを示す。その辺の。ある。「下町の―店に立ち寄る」「―山寺に行きついた」
ありあり・し: 【有り有りし・在り在りし】 (形シク) (1) 実際にあったとおりである。ありのままである。「いみじう有心に心深く,大人のやうにおはすれば,―・しう,よに宣はじと思す/宇津保(楼上・下)」 (2) 当然あるべきさまである。望ましい状態である。「―・シイテイデゴザル/日葡」 (3) もっともらしい。本当らしく見える。「―・しく云へば,若気ゆゑ実(マコト)と思ひ/信長公記」
あり-し: 【在りし】 (連語) (「し」は過去の助動詞「き」の連体形。連体詞的に用いられる) (1) 以前の。先の。昔の。「一の菴(イオリ)をむすぶ。これを,―すまひにならぶるに,十分が一なり/方丈記」 (2) 生前の。「―妻に似たらん人をと思て/宇治拾遺 9」
ありとある: 【有りと有る】 すべての。あらゆる。ありとあらゆる。連体詞的に用いる。 「家の中に―もの,声を調(ソロ)へて泣かなしむ/平家 12」
し-と: [1] 【緇徒】 (「緇」は墨染めの衣) 僧侶の異名。
と・し: 【敏し・聆し】 (形ク) (「とし(利)」と同源) (1) 行動がすばしこい。敏捷(ビンシヨウ)だ。「鷦鷯と隼といづれか―・き/日本書紀(仁徳訓)」 (2) 鋭敏だ。さとい。「大蔵卿ばかり耳―・き人はなし/枕草子 275」「心―・き者にて/源氏(葵)」
と-し: [1] 【徒死】 (名)スル むだに死ぬこと。犬死に。「戦場に駆り出されて―する」
ありとしある: 【有りとし有る】 〔「し」は強意の助詞〕 「ありとある」に同じ。 「―人は皆浮雲(フウン)の思ひをなせり/方丈記」
あり-と-あらゆる: 【有りと有らゆる】 (連語) 「あらゆる」を強めた言い方。すべての。ある限りの。連体詞的に用いる。「―手段を講ずる」
あり-がほ・し: 【在りが欲し】 (連語) (「ほし」は接尾語) 住んでいたい。「―・し住みよき里が荒るらく惜しも/万葉 1059」
あり-つかわ・し: ―ツカハシ 【有り付かはし】 (形シク) 似つかわしい。ふさわしい。「姿ありさまの―・しく/住吉」
あり-にく・し: 【在り悪し】 (形ク) 生きにくい。生きているのがつらい。「いかにか世を―・く,憂きものになむおぼし乱れければにや/栄花(初花)」
あり-も-し∘ない: 【有りもしない】 (連語) 現実には存在しない。存在する可能性もない。「―∘ない話をする」
あり-よ・し: 【在り良し】 (形ク) 住みよい。暮らしよい。「住み良しと人は言へども―・しと我は思へど/万葉 1059」