あん 意味
- 【何】
〔「なん」の転〕
不定称の指示代名詞。なに。
「やい市い,―とした/滑稽本・膝栗毛 2」
- 【庵・菴】
(1)草葺(ブ)きの小家。僧侶・世捨て人・風流人などの住む,質素な小屋。いおり。草庵。
「―を結ぶ」
(2)雅号や住まい・料亭の名などに添えて接尾語的に用いる語。
「芭蕉―」
- 【暗】
暗い部分。暗さ。
⇔明
「明(メイ)と―に分かれる」
- 【餡】
(1)小豆(アズキ)などを煮て砂糖を加え練ったもの。砂糖を加える前+もっと...のものをもいう。ほかに隠元豆・さつま芋・栗・百合根などからも作り,塩味のものもある。和菓子の主材料とするほか,のばして汁粉などとする。あんこ。
→漉(コ)し餡
→粒餡
(2)饅頭(マンジユウ)や餅(モチ)の中に包み込む,調味した挽(ヒ)き肉・味噌・野菜など。
(3)葛(クズ)餡。また,これに野菜・挽き肉・ウニなどを加えたものもいう。
(4)中に入れる物。外側とは別の材料を使った中身。あんこ。
- 【案】
(1)考え。思いつき。アイデア。
「いい―が浮かぶ」
(2)したがき。原案。
「執行部の―を検討する」
(3)予想。もくろみ。計画。
「―をたてる」「―を練る」
(4)物をのせる台。机。
「此の経の―の前に立ちて/今昔 6」
(5)思慮。
「―ノ深イ人/日葡」
――に落・つ
考えていたとおりになる。計略にはまる。
「人のおしはかる―・つることもあらましかば/源氏(藤袴)」
――に相違する
予想がはずれる。考えていたのと違う。案に違(タガ)う。
「―して彼が一着だった」
――に違(タガ)わず
かねて予想していたとおり。
――の内(ウチ)
思っていたとおり。考えどおり。計画どおり。
「南都の陣を追ひ落とさん事,―に候/太平記 19」
――の如(ゴト)く
考えていたように。思ったとおり。
――の外(ホカ)
思いの外。予想外。意外。案外。
「今日の内に寄りて攻めんこそ,彼奴は―にて,まどはめ/今昔 25」
例文
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- なぜ彼はあんなにいかっているのかしら。
- よくもまあ、あんなものが食べられるね。
- あんなことを人に言われたのは初めてだ。
- なぜ彼女はあんなに悲しそうなのだろう。
- トムにはあんまり逆らわない方がいいぜ。
関連用語
あん-あん: [0] 【暗暗・闇闇】 (ト|タル) [文] 形動タリ (1) ひそかなさま。はっきり言わないさま。「―のうちに了解した」 (2) 暗いさま。「四辺(アタリ)―として暗く/鉄仮面(涙香)」
あんあん: 【暗暗・闇闇】 (1)ひそかなさま。はっきり言わないさま。 「―のうちに了解した」 (2)暗いさま。 「四辺(アタリ)―として暗く/鉄仮面(涙香)」
あんあんり: 【暗暗裏・暗暗裡】 人に知られないよう。内々。 「―に認める」
あんあん-り: [3] 【暗暗裏・暗暗裡】 人に知られないよう。内々。「―に認める」
あんらく-あん: 【安楽庵】 京都,誓願寺にあった茶室。策伝が創建・命名。
こく-あんあん: [1] 【黒暗暗】 まっくらなこと。「―日光も穿ち得ぬ森林の裡(ウチ)/日光山の奥(花袋)」
あお-あん: アヲ― [0] 【青餡】 青粉や碾茶(ヒキチヤ)をまぜた青みを帯びた餡。
あん∘なり: (連語) (動詞「あり」に伝聞の助動詞「なり」の付いた「ありなり」の転) あるということだ。あるそうだ。あなり。「信濃に―∘なる木曾路河/平家 6」
あん∘べし: (連語) (動詞「あり」に助動詞「べし」の接続した「あるべし」の転) あるだろう。あるはずだ。「いたく人にも見知られむにも,はばかり―∘べければ/更級」 (「あべし」と表記されることが多い)
あん∘めり: (連語) (動詞「あり」に助動詞「めり」の付いた「あるめり」の転) あるようだ。あるらしい。あめり。「世継のぬしは,今十余年が弟にこそ―∘めれば/大鏡(昔物語)」
あんい: 【安位】 「安(ヤス)き位(クライ)」に同じ。 ; 【安慰】 人の心をやすらかにし,なぐさめること。 ; 【安意】 心がやすまること。安心。 「稍(ヨウヤ)く―するを得たりき/月世界旅行(勤)」 ; 【安易】 (1)困難がないこと。たやすいこと。また,そのさま。 「―な問題」 (2)特別な工夫や努力のないこと。深く考えないこと。また,そのさま。 「―に流れる」「―
あんう: 【暗雨】 闇夜(ヤミヨ)に降る雨。
あんか: 【案下】 (1)机の下。机のそば。 (2)手紙の脇付に用いる語。机下(キカ)。 ; 【安価】 (1)値段の安い・こと(さま)。廉価。 ⇔高価 (2)安っぽい・こと(さま)。 「―な同情」 ――な政府 〔cheap government〕 政府支出を必要最小限に抑えた政府。また,それを理想とする財政論・国家観。政府は経済活動に関与せず,国防・治安維持などの限定された任務だけ
あんが: 【晏駕】 天皇・上皇がなくなること。崩御(ホウギヨ)。 「鳥羽院御―の後は,兵革うちつづき/平家 1」 〔「晏」は遅いの意。天皇が「駕」に乗ってお出ましになるのが遅い意で,天皇の死を婉曲に表したもの〕 ; 【安臥】 楽な姿勢で横になること。 「先生寝床に―す/浮城物語(竜渓)」
あんき: 【安徽】 中国,長江下流域を占める省。温和な気候の農耕地帯で,米・小麦・トウモロコシの産出が豊富。省都,合肥。別名,皖(カン)。アンホイ。 ; 【晏起】 朝遅く起きること。朝寝。 「―既に午(ヒル)に近し/日乗(荷風)」 ; 【暗鬼】 暗がりにいると思われる鬼。不安や妄想による恐れ。 「疑心―」 ; 【安危】 安全か危険かということ。 「国家の―」 ; 【暗