いかり 意味
- 【怒り】
いかること。おこること。腹立ち。立腹。
「―に燃える」「相手の―をかう」「―をしずめる」
――心頭(シントウ)に発(ハツ)・する
心底から激しく怒る。
――を遷(ウツ)・す
〔論語(雍也)〕
腹を立てて,関係のない者にやつあたりする。
- 【錨・碇】
〔海中の石を意味する古語「いくり」と同源か〕
(1)綱や鎖をつけて水底に投下し,これによって船をその場所に停止させておく船具。古代から中世には石または石と木を組み合わせた木碇を使っ+もっと...たが,近世以後,鉄製となる。
(2)緒の端につけるいかり形の器具。物にかけて引き寄せたり,つなぎとめたりするのに用いる。
「―の緒/枕草子 89」
(3)家紋の一。{(1)}を図案化したもの。
――を打・つ
錨を水中に沈める。錨をおろす。
――を下ろ・す
(1)船を停泊させる。
(2)腰を落ち着ける。尻をすえる。
「なほも―・して話す/洒落本・傾城買四十八手」
例文
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- 大きな船が、湾内にいかりをおろしている。
- いかりが落ちる前に 下に行かないと
- あの いかりさばきに 半端ねぇ強さ...。
- あの いかりさばきに 半端ねぇ強さ...。
- 現金の色です いかりを上げろ!
関連用語
いかばかり: 【如何許り】 どれほど。どんなに。 「―およろこびのことでしょう」「悲しみは―かと」
いかりがた: 【怒り肩】 高く角張った肩。 ⇔撫(ナ)で肩
いかりげ: 【怒り毛】 けものが怒ったとき逆立てる毛。 「獅子の―の如く巻いて/太平記 28」
いかりそう: 【碇草】 メギ科の多年草。山地に自生する。高さ約30センチメートル。葉は複葉。春,碇の形に似た淡紫色の四弁の花を下向きにつける。茎や葉を干して強壮・強精薬とする。
いかりつめ: 上外端; 斜桁の外端; 狭先部; 斜桁尖端; 船艙狭尖部
いかりづな: 【碇綱】 碇を船に結びつける綱。苧綱(カラムシヅナ)が主に用いられた。
いかりづめ: 【怒り爪】 獣などがおこってむき出す爪。
いかりなわ: 【碇縄】 「碇綱(イカリヅナ)」に同じ。 「苦し」「いかで」を言い出すための序詞としても用いる。「沖つ島とまる小舟の―/新続古今(恋五)」
いかりのひ: 【怒りの日】 (1)キリスト教で,神が最後の審判を行う日。公審判の日。 (2)死者のためのミサで歌われる聖歌の一。最後の審判をテーマとしたもの。非宗教音楽でも,死を表現する主題に用いられ,ベルリオーズ「幻想交響曲」,リスト「死の舞踏」などにみられる。ディエス-イレ。
いかりばな: 【怒り鼻】 小鼻が横にひろがっている鼻。
いかりぼし: 【錨星・碇星】 カシオペア座の W 形の五星を碇に見たてた和名。瀬戸内海地方から東北地方にかけて分布する呼称。山形星。
いかりむし: 【錨虫】 甲殻綱の節足動物。幼虫はミジンコ形で泳ぐが,成熟して交尾した雌は淡水魚の口内や鰓(エラ)に寄生。体長7ミリメートル内外の棒状になり,脚もなくなって,頭胸部に錨形の突起が二対でき,これで宿主に固着する。養殖魚の害敵。
いかりもり: 【碇銛】 捕鯨に用いる銛の一種。先の左右に突起があって碇のように見える。
いかりを: はなす; 巻き揚げられるようにする
いかりダム: 栃木県塩谷郡藤原町,利根川水系の男鹿川にある灌漑・発電用などの多目的ダム。重力式で,堤高112メートル。1956年(昭和31)完成。