いせものがたり 意味
- 【伊勢物語】
歌物語。一巻。作者未詳。現在のような形になったのは,平安中期か。百二十余の短い章段からなり,在原業平(アリワラノナリヒラ)らしい人物の恋愛を中心とした一代記の構成をとる。源氏物語・古今集とともに,後代への影響がきわめて大きい。在五が物語。在中将。在五中将の日記。
例文
- 伊勢物語(いせものがたり)は、平安時代初期に成立した歌物語。
関連用語
にせものがたり: 【仁勢物語】 仮名草子。二巻。作者未詳。1640年頃成立。伊勢物語を逐語的にパロディー化し,当時の世相・風俗を滑稽化して描いた作品。
ものがたり: 【物語】 (1)あるまとまった内容のことを話すこと。ものがたること。また,その内容。話。談話。 「世にも悲しい―」「知る人の許にて夜に入るまで―し/舞姫(鴎外)」 (2)文学形態の一。広義には,散文による創作文学のうち,自照文学を除くものの総称。すなわち,作者が人物・事件などについて他人に語る形で記述した散文の文学作品。特に,人物描写に主眼のある小説に対して,事件の叙述を主とするものをさ
うた-ものがたり: [5] 【歌物語】 (1) 歌を中心とした物語。また,特定の歌に関する物語。うたがたり。 (2) 平安前期の物語の一種。特定の歌を核として,それにまつわる物語を展開したもの。また,そのような短い物語・説話を集めた作品。「伊勢物語」「大和物語」など。
えものがたり: 【絵物語】 物語を絵に描いたもの。また,絵入りの物語。
え-ものがたり: ヱ― [4] 【絵物語】 物語を絵に描いたもの。また,絵入りの物語。
ぎこ-ものがたり: [5] 【擬古物語】 主として鎌倉時代,「源氏物語」「狭衣物語」などの平安時代の作り物語を模倣して作られた物語。ほとんどが貴族の男女を主人公とした宮廷物語であるが,時代を反映して無常観が濃く,悲恋遁世の話が多い。「あまのかるも」「松浦宮(マツラノミヤ)物語」「苔の衣」「風につれなき」「わが身にたどる姫君」など。
すものがたり: 【素物語】 「素話{(2)}」に同じ。
す-ものがたり: [4] 【素物語】 「素話{ (2) }」に同じ。
そら-ものがたり: 【空物語】 でまかせの物語。とりとめもない物語。「―する翁かなとおぼすもあらむ/大鏡(道長)」
ちご-ものがたり: [5] 【稚児物語】 寺院の稚児と僧侶との愛欲を題材とした物語草子。室町時代に一群の作品があり,「秋夜長物語」「松帆浦物語」「幻夢物語」などが有名。
なが-ものがたり: [5] 【長物語】 長い時間物語ること。また,長い物語。「秋の夜の―」
ねものがたり: 【寝物語】 (男女が)寝ながら話すこと。また,その話。 「―に聞く」
ね-ものがたり: [4] 【寝物語】 (男女が)寝ながら話すこと。また,その話。「―に聞く」
はや-ものがたり: 【早物語】 早口で物語を語る芸。また,その物語。琵琶(ビワ)法師の語りの合間に,その弟子などが語ったもの。「お座敷へ出ると申しても,小歌か―で済む事でござる/狂言・伯養(鷺流)」
ふる-ものがたり: 【古物語】 (1) 昔の出来事の話。思い出話。「さしぐみに―にかかづらひて/源氏(橋姫)」 (2) 古い時代の物語。特に,源氏物語より前の物語。「源氏の事は申すに及ばず―も取るなり/正徹物語」