あぶれもの 意味
- 【溢れ者】
(1)日雇いなどで,その日の仕事にありつけなかった人。
(2)無法者。ならずもの。
「今はさやうなる―出で来まじげなる世にこそ/狭衣 4」
(3)社会から脱落して放浪し,徒党をなすもの。悪党。
「―の不敵武者に跳り合て,命失て何かせん/太平記 6」
関連用語
あぶれ-もの: [0] [5] 【溢れ者】 (1) 日雇いなどで,その日の仕事にありつけなかった人。 (2) 無法者。ならずもの。「今はさやうなる―出で来まじげなる世にこそ/狭衣 4」 (3) 社会から脱落して放浪し,徒党をなすもの。悪党。「―の不敵武者に跳り合て,命失て何かせん/太平記 6」
あぶれ: 【溢れ】 (1)仕事などにあぶれること。また,その人。あぶれ者。 (2)手に余ること。無頼。あぶれ者。
(はれものがつぶれて膿が)したたる: したたる; 流れる
あぶれる: 【溢れる】 〔「あふれる」と同源〕 (1)「あふれる」に同じ。 「カワガ―・レタ/ヘボン」 (2)所定の人数からはみ出す。希望者が多くて仕事を得ることができないでいる。 「仕事に―・れる」 (3)狩猟や釣りで,獲物を得ることに失敗する。 (4)余計者になる。落ちぶれる。 「また見苦しきさまにて世に―・れむも/源氏(東屋)」
あばれもの: 【暴れ者】 乱暴な人。あばれんぼう。
いれもの: 【入れ物・容れ物】 (1)物を入れるうつわ。容器。 (2)棺の忌み詞。
うかれもの: 【浮かれ者】 遊び歩く人。道楽者。遊蕩児(ユウトウジ)。 「此処彼処遊びさまよふ―と成にけり/仮名草子・浮世物語」
おれもの: 【愚者】 おろかもの。ばかもの。 「深き労なき―も/源氏(絵合)」
きれもの: 【切れ物】 (1)物を切るのに用いる道具。刃物。 (2)よく切れる刃物。 「自らの刀の―なる由を言ひしを聞きて/折たく柴の記」 (3)品切れの物。また,めったにない物。 ; 【切れ者】 頭の働きが素早く,すぐれた手腕をもつ者。やり手。敏腕家。 「財界随一の―と評判の男」
こぎれもの: 【小切れ物】 ⇒小切れ(2)
こぼれもの: 【零れ物】 (1)こぼれたもの。また,残りもの。 (2)こぼれやすいもの。液体や,水分の多いもの。
こわれもの: 【壊れ物・毀れ物】 (1)こわれたもの。 (2)こわれやすいもの。 「―注意」
しいれもの: 【仕入れ物】 (1)仕入れた品物。 (2)出来合いの品。既製品。
しゃれもの: 【洒落者】 (1)おしゃれな人。着飾った人。 (2)風流な人。服装や物言いなどが洗練され,気のきいている人。粋人。 (3)その場に興を添えるような,滑稽なことを言ったりしたりする人。
しれもの: 【痴れ者】 (1)常軌を逸したばかもの。あほう。 「この―め」 (2)その道に打ち込んだ巧者。相当な者。大したやつ。したたかもの。 「さればこそ風流の―,爰に至りて其の実を顕す/奥の細道」 (3)乱暴者。狼藉(ロウゼキ)者。暴漢。