ありあり・し 意味
- 【有り有りし・在り在りし】
(形シク)
(1)実際にあったとおりである。ありのままである。「いみじう有心に心深く,大人のやうにおはすれば,―・しう,よに宣はじと思す/宇津保(楼上・下)」
(2)当然あるべきさまである。望ましい状態である。「―・シイテイデゴザル/日葡」
(3)もっともらしい。本当らしく見える。「―・しく云へば,若気ゆゑ実(マコト)と思ひ/信長公記」
関連用語
ありあり: 【有り有り・在り在り】 (1)ある状態がはっきりと外に現れているさま。 「弱点が―(と)わかる」「ネチネチした気性が―と知れる/社会百面相(魯庵)」 (2)あたかも目の前にあるように心に感じられるさま。まざまざ。 「当時の光景が―と浮かぶ」 ; (1)蹴鞠(ケマリ)の時の掛け声。 「小鬢に汗を流しつつ,―と言へども当らねば/仮名草子・竹斎」 (2)〔「有り有り」の意から〕
ありありし: 【有り有りし・在り在りし】 (1)実際にあったとおりである。ありのままである。 「いみじう有心に心深く,大人のやうにおはすれば,―・しう,よに宣はじと思す/宇津保(楼上・下)」 (2)当然あるべきさまである。望ましい状態である。 「―・シイテイデゴザル/日葡」 (3)もっともらしい。本当らしく見える。 「―・しく云へば,若気ゆゑ実(マコト)と思ひ/信長公記」
ありありて: 【有り有りて・在り在りて】 〔動詞「あり」を重ね,それに助詞「て」が付いたもの〕 (1)引き続きこのままの状態でいて。 「―後も逢はむと/万葉 3113」 (2)長い時間がたったあとに。とどのつまり。あげくのはてに。 「―かく遥かなる国になりにたり/更級」
ありありと: まざまざ; 明に; くっきり; 生き生きと; 確と; 聢と; 在り在り; はきと; 有り有り; まざまざと; ありあり; 清に; 生き生き; はっきり; あざやかに; 活き活き
ありあり-て: 【有り有りて・在り在りて】 (副) (動詞「あり」を重ね,それに助詞「て」が付いたもの) (1) 引き続きこのままの状態でいて。「―後も逢はむと/万葉 3113」 (2) 長い時間がたったあとに。とどのつまり。あげくのはてに。「―かく遥かなる国になりにたり/更級」
あり-し: 【在りし】 (連語) (「し」は過去の助動詞「き」の連体形。連体詞的に用いられる) (1) 以前の。先の。昔の。「一の菴(イオリ)をむすぶ。これを,―すまひにならぶるに,十分が一なり/方丈記」 (2) 生前の。「―妻に似たらん人をと思て/宇治拾遺 9」
ありあい: 【有り合い】 たまたまそこにあること。ありあわせ。 「久振(ヒサシブリ)で来たから何でも―で一つ…飲まして遣りませう/真景累ヶ淵(円朝)」
ありあう: 【有り合う・在り合う】 (1)ちょうどそこにある。ありあわせる。 「どつさり―・ふ長椅子に身を落し/ふらんす物語(荷風)」 (2)たまたまそこに居あわせる。 「いたれりし国にてぞ子生めるものども―・へる/土左」 (3)行きあう。偶然出会う。 「路のほどなどに夜行の夜などもおのづから―・ふらむ/栄花(初花)」
ありあけ: 【有明】 (1)佐賀県南部,杵島(キシマ)郡の町。有明海の干拓地で,米作・ノリ養殖などを行う。 (2)長崎県南東部,南高来郡の町。雲仙岳の北東斜面に広がり,有明海に面する。 (3)熊本県天草郡の町。天草諸島の上島北部,島原湾に面し,漁業が盛ん。 (4)鹿児島県東部,曾於郡の町。志布志(シブシ)湾に面する。茶の産地として有名。 ; 【有明】 ⇒蒲原(カンバラ)有明 ; 【有明】
ありあけ-かい: 【有明海】 九州北西部,島原湾の湾奥にある浅い海。干満の差は日本最大。干潟のムツゴロウ・ワラスボは有名。不知火(シラヌイ)の名所。筑紫の海。筑紫潟。
ありあけ-がた: 【有明方】 月が残っている夜明け方の頃。「思ふこと―の月かげにあはれをそふるさをしかの声/金葉(秋)」
ありあけ-づき: 【有明月】 「ありあけのつき」に同じ。
ありあけ-わん: 【有明湾】 志布志(シブシ)湾の別名。
ありあな: 【蟻穴】 建築で,蟻枘(アリホゾ)を受ける穴。
ありあまる: 【有り余る】 必要以上にたくさんある。余るほど豊富にある。 「―・る才能をもつ男」