節 意味
- せち
〔呉音〕
(1)時節。季節。
「やよひの日数のうちに夏の―の来たる/経信母集」
(2)季節の変わりめの祝いをする日。節日(セチニチ)。節供(セチク)。
「―は五月にしく月はなし/枕草子 39」
(3)「節会(セチエ)」に同じ。
「さるべき節会など,五月の―にいそぎ参るあした/源氏(帚木)」
(4)節日の御馳走。特に正月の振る舞い。
「ある所の御屏風に正月―する/忠見集」
→お節(セチ)
- せつ ①
(1)ある事柄の行われるとき+もっと...。時期。おり。ころ。
「その―はお世話になりました」
(2)自分の信念を守り続けること。みさお。節操。操守。
「―を守る」
(3)ほど。ほどあい。節度。
「―を越えない」
(4)まとまったものをいくつかに分けた,そのひとまとまり。区切り。助数詞的にも用いられることがある。(ア)文章・詩歌・音曲などの一つの段階。「三つの―から成る論文」「―を改めて書き継ぐ」「第三章第二―」(イ)スポーツの試合期間の一区切り。「第三―は雨のため未消化」(ウ)予算編成上の小区分。「款・項・目・―」(エ)取引所における立ち合いの小区分。
(5)季節・時節。
「今は恰も水少く草枯れたる―に属したれば/日光山の奥(花袋)」
(6)二十四節気のこと。また,そのうち旧暦で各月の前半にくる節気をさす。
→中気(2)
(7)君命を受けた使者や将軍が授かるしるし。
「持―将軍」
(8)生物分類群の階級の一。属と種の中間で,種をまとめる時に用いる。
(9)植物の茎で,葉・枝の着生する部分。ふし。
(10)クローズ(clause)に同じ。
(11)船の速度の単位。ノット(knot)に同じ。
――を折・る
自分の意思を曲げて人に従う。
――を屈・する
「節を折る」に同じ。
――を曲・げる
「節を折る」に同じ。
――を全(マツト)う・する
最後まで節操を守りとおす。
- ふし ②
(1)竹・葦(アシ)などの幹にあって,ほぼ一定間隔でややふくらんでいる部分。
(2)樹木の枝の生え出るところ。また,枝を切り落とした跡。特に板や柱に製材した際に残る跡。せつ。
「―の多い木」「―を生かした床框(トコカマチ)」
(3)骨と骨のつながっている部分。関節。
「指の―を鳴らす」
(4)糸・ひもなどの,途中の太くなっているところ。
「―糸」
(5)物事の区切りとなるような大切な箇所。ふしめ。
「人生の―」
(6)箇所。注目すべき点。
「思い当たる―がある」「故意と思われる―がある」
(7)きっかけ。また,折(オリ)。機会。
「又,よき―なりとも思ひ給ふるに/源氏(帚木)」
(8)歌の旋律。また,旋律の一まとまり。曲節。
「一―歌って聞かせる」「―を忘れる」「変な―をつけてせりふをいう」
(9)(普通「フシ」と書く)浄瑠璃・謡曲で,旋律のある部分。詞(コトバ)に対していう。
(10)〔物〕 定常波で,振幅が 0 になっているところ。
⇔腹
(11)魚の身を縦に四つに割ったもの。また,それを加工した食品。また,特にかつおぶしのこと。
(12)言いがかり。なんくせ。
「よくいろな―をつけるの/人情本・梅児誉美(初)」
→ぶし(節)
- ぶし
名詞,また,地名・人名などの固有名詞の下に付いて複合語をつくる。
(1)浄瑠璃の流派や民謡の曲名などを表す。
「義太夫―」「木曾―」「ひえつき―」
(2)人名の下に付けて,その人独特の特徴のある話し方や節回しなどの意を表す。
(3)魚肉を煮て干した食物の意を表す。
「かつお―」「なまり―」
(4)地名の下に付けて,その地に産するかつおぶしの意を表す。
「土佐―」
例文
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- 健康は運動と節制と不可分の関係にある。
- 燃料の節約がこの自動車の大きな特長だ。
- 秋は1年で最も美しい季節だと思います。
- 以下の一節は有名な寓話からの引用です。
- 時間を節約するのには何をすべきだろう?
- 衣服を買うのを節約しなければならない。
- この一節には多くの意味が含まれている。
- 最後の2節を省略して歌いましょうか。
- この語のアクセントは第2音節にある。
- 夏は、女性が一番美しく見える季節だ。
関連用語
1節: 句; 一節
節・編: ふ 垣や薦(コモ)などの編み目・結い目。ふし。 「大君のみこの柴垣八―じまり/古事記(下)」
肺門―節: はいもん-リンパせつ [7] 【肺門―節】 肺門部気管支の周囲に密着して分布するリンパ節の総称。肺結核の初期に反応を示す。
1節: 射撃; 75フィートの錨鎖; 発射; 90フィートの錨鎖
連(れ)節: つれ-ぶし [0] 【連(れ)節】 複数の人間が同じ節を声を合わせてうたうこと。
連{(}れ{)}節: つれぶし ◎ 複数の人間が同じ節を声を合わせてうたうこと。
連{(れ)}節: つれぶし ◎ 複数の人間が同じ節を声を合わせてうたうこと。
箸置き: はしおき ②③ 食膳で,箸先を載せておく小さな器具。箸台。箸まくら。
箸紙: はしがみ ② 紙を折りたたんで袋状にし,箸を差すようにしたもの。特に正月用の太箸を包むもの。﹝季﹞新年。
節々: 節節; 関節
箸箱: はしばこ ◎②③ 箸をしまっておく細長い箱。
節する: せっする ③◎ (1)度を超さず,ちょうどよい程度にする。ほどよくする。節制する。 「冬は石炭又は蒸気を以て寒温を―・すべし/福翁百話(諭吉)」 (2)減らす。制限する。節約する。 「冗費を―・する」
箸立て伝説: はしたてでんせつ ⑤ 高僧・武将などが弁当に使った箸を地に立てたところ,根がつき大木に生長したという伝説。弘法大師を主人公にするものが多い。
節のある: 結び目のある
箸立て: はしたて ③② (1)箸を立てて食膳に置く容器。 (2)「食い初め{(1)}」に同じ。
節の間: ふしのま 〔節と節との間の意から〕 ほんのわずかな間。 「―も惜しき命を/万葉 4211」