重複遺伝子 意味

発音を聞く:
  • ちょうふくいでんし ⑥
    DNA 上で二種の遺伝情報が部分的に重なり合っている遺伝子。オーバーラップ遺伝子。

例文

  1. 現在は、主に重複遺伝子の進化についての研究を行っている。
  2. 重複遺伝子は共通祖先の出現以来、最も重要な進化の原動力であったと主張する人もいる。
  3. 重複遺伝子は、従って進化の主要な役目を担うと考えられており、100年以上も前から学界において支持されてきた。
  4. 1989年には重複遺伝子を用いることによって古細菌が真正細菌よりも真核生物に近いことが分かり、さらに1990年には3ドメイン説が提唱された。
  5. その後1989年に、重複遺伝子(H+-ATPアーゼ、伸長因子、リンゴ酸デヒドロゲナーゼ、乳酸デヒドロゲナーゼ)の一方をアウトグループとして再び系統樹が描かれ、これにより共通祖先がまず真正細菌と原始古細菌に進化し、その後原始古細菌から古細菌と真核生物が分かれたことが示された(右の図)。

関連用語

        遺伝子重複:    dna複製; ウイルス複製; 複製
        遺伝子:    いでんし ② 染色体中に一定の順序で配列されて各々一つずつの遺伝形質を決定し,両親から子孫へ,細胞から細胞へと伝えられる因子。遺伝子の本体は DNA(一部のウイルスでは RNA )であり,そのヌクレオチドの塩基の配列順序の一定の部分によって特定の形質を発現したり,調節したりする情報が伝えられる。遺伝因子。
        同義遺伝子:    どうぎいでんし ⑤ ある同一の形質を発現させる作用をもち,座位の異なる二つ以上の遺伝子。 →ポリジーン
        対立遺伝子:    たいりついでんし ⑥ 同一の遺伝子座に属しながら DNA 塩基配列に差の生じた変異体。対立因子。
        核外遺伝子:    かくがいいでんし ⑤ ⇒プラズマジーン
        構造遺伝子:    こうぞういでんし ⑥ タンパク質のアミノ酸配列を支配し,またリボソーム RNA や転移 RNA などの一次構造を決定する情報をもった遺伝子。 →調節遺伝子
        癌遺伝子:    がんいでんし ④ 細胞の癌化を引き起こす遺伝子。正常細胞に存在し,発癌因子や老化などによって細胞に癌化の指令を出すと考えられる。腫瘍遺伝子。
        致死遺伝子:    ちしいでんし ④ 個体発生のある時期に死を引き起こす遺伝子。優性のものと劣性のものとがある。ハツカネズミの黄色,トウモロコシで葉緑素を欠くものなどは劣性致死遺伝子の支配を受けている。致死因子。
        補足遺伝子:    ほそくいでんし ⑤ 二つ以上の非対立遺伝子が共存し,互いに補い合って新しい形質を表現する場合,その双方の非対立遺伝子をいう。
        調節遺伝子:    ちょうせついでんし ⑥ 構造遺伝子の働きを調節する遺伝子。構造遺伝子の働きを抑制するリプレッサーなどの制御性物質を生産する遺伝子や,リプレッサーが結合するオペレーター遺伝子など。制御遺伝子。 →構造遺伝子
        遺伝子型:    いでんしがた ◎ ある生物個体の形質を決定する遺伝子の組成。 ⇔表現型
        遺伝子変異:    点突然変異; 遺伝子突然変異
        遺伝子工学:    いでんしこうがく ⑤ 遺伝子を有効に利用して人類に役立たせることを目的とした学問。遺伝子操作などの技術により発展した。高等生物の特定の遺伝子を多量に作り出して構造を分析したり,有用物質を生物的に生産するなど,広く応用される。
        遺伝子座:    いでんしざ ④ 染色体における各遺伝子の占める位置。
        遺伝子操作:    いでんしそうさ ⑤ 遺伝子を人工的に組み換えたり,大腸菌などの宿主細胞に導入して増殖させたりすること。遺伝子工学の基礎となる技術。

隣接する単語

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