いたり 意味
- 【至り】
(1)物事の行き着く最高の状態。極み。
「汗顔(カンガン)の―」「慶賀の―」
(2)勢いのおもむくところ。結果。
「若気の―」
(3)考えや配慮の行き届くこと。
「女の御おきてには,―深く,仏の道にさへ通ひ給ひける/源氏(御法)」
(4)名詞の上に付いて複合語を作る。近世の用法。(ア)趣向をこらした,極上の,の意を表す。
「―染め」(イ)程度がはなはだしいの意を表す。「―病(ヤマイ)」
――深・し
(1)思慮が深い。
「心おきてを思ひめぐらさむかたも―・く/源氏(帚木)」
(2)趣が深い。
「播磨の明石の浦こそ…なにの―・き隈はなけれど/源氏(若紫)」
- いたりぞめ 【至り染(め)】 意匠をこらした染め方。気の利いた染め方。 「綸子(リンズ)小袖の―/浄瑠璃・島原蛙合戦」
- いたりて 【至りて】 きわめて。非常に。大層。いたって。 「―浄く仏の御法を継ぎ隆(ヒロ)めむと念行(オモホシ)まし/続紀(天平宝字八宣命)」 〔多く漢文訓読語として用いられた〕
- いたりー イタリー; 伊太利; イタリア
- いたり-ぞめ 【至り染(め)】 意匠をこらした染め方。気の利いた染め方。「綸子(リンズ)小袖の―/浄瑠璃・島原蛙合戦」
- いたり-ぢゃや 【至り茶屋】 高級な茶屋。しゃれた茶屋。「南江(=道頓堀)の―に遊んで/浮世草子・置土産 5」
- いたり-て 【至りて】 (副) きわめて。非常に。大層。いたって。「―浄く仏の御法を継ぎ隆(ヒロ)めむと念行(オモホシ)まし/続紀(天平宝字八宣命)」 (多く漢文訓読語として用いられた)
- せいたりん 【誓多林・逝多林】 祇陀太子が所有していた林の名。須達長者が買い取り,この地に祇園精舎(ギオンシヨウジヤ)を建て釈迦に献じたという。
- そこいたり 【底至り】 (1)外観はそれほどではないが,人目につかない部分に手間をかけ,ぜいたくにしてあること。 「煙管・煙草入など―を好み/洒落本・寸南破良意」 (2)徹底していること。 「此客―のいやみにて/洒落本・玉の幉」
- そこ-いたり 【底至り】 (1) 外観はそれほどではないが,人目につかない部分に手間をかけ,ぜいたくにしてあること。「煙管・煙草入など―を好み/洒落本・寸南破良意」 (2) 徹底していること。「此客―のいやみにて/洒落本・玉の幉」
- わたりいた 【渡り板】 二地点をつなぐ通路とするために掛け渡した板。あゆみいた。
- わたり-いた [4] 【渡り板】 二地点をつなぐ通路とするために掛け渡した板。あゆみいた。
- いたりぢゃや 【至り茶屋】 高級な茶屋。しゃれた茶屋。 「南江(=道頓堀)の―に遊んで/浮世草子・置土産 5」
- いたり-かしこ・し 【至り賢し】 (形ク) 思慮深い。「この中将も若けれど,いと聞えあり,―・くして/枕草子 244」
- いたり-せんさく 【至り穿鑿】 (1) うるさく知りたがること。 (2) ぜいたくの限りを尽くした物好み。「次第に―の世なり/浮世草子・一代女 4」
- いたり-まっしゃ 【至り末社】 万事に行き届いて,そつのない太鼓持ち。「―に揉まれて傾国のいきかたを聞き覚えて/浮世草子・風流曲三味線」
例文
- 息を深く吸ったり吐いたりしてください。
- 手紙を書いたり講演したりで私は忙しい。
- 神経質な人は頭をかいたりするものだ。
- 彼女は誠実だから嘘をついたりしない。
- その男は腕を組んだりほどいたりしていた。
- そうですね、パンを焼いたりします。
- いったいなぜ驚いたりするのですか。
- その犬はかみついたりしませんよ。
- 最後まで仕上げたら、泣いたりしてもいいです。
- その赤ん坊は一晩中泣いたり泣き止んだりした。