ず 意味
- 「す」の濁音の仮名。歯茎破擦音(または歯茎摩擦音)の有声子音と後舌の狭母音とから成る音節。
- 【出】
⇒でる
- 【徒】
律の五刑の一。懲役刑。一年から三年まで半年ごと五段階に分かれる。杖(ジヨウ)より重く,流(ル)より軽い。徒刑。徒罪。
- 【図】
(1)絵。絵画。
(2)地図。図面。
「地形―」「設計―」
(3)〔数〕 点・線・面からなる形。図形。
(4)ねらいどころ。よい機会。
「此―を外さず甲鉄艦を撃沈めよと/近世紀聞(延房)」
(5)たくらみ。計画。企図。
「有りやうは九郎兵衛を下へくだした跡での事と思ふたが―へいかぬ/浄瑠璃・夏祭」
(6)様子。光景。
「嶋原の門口につゐに見ぬ―なる事あり/浮世草子・一代女 2」
(7)雅楽で,音律の標準となる調子を書き表したもの。
「当寺の楽はよく―をしらべあはせて/徒然 220」
――が知れない
どこまでか予測できない。はてしない。
――が無・い
途方もない。法外だ。
「ああ図無うくたびれた/浄瑠璃・平家女護島」
――に当た・る
計画や予想がそのとおりに実現する。
――に乗・る
調子に乗ってつけあがる。
- 【頭】
あたま。かしら。こうべ。
――が高・い
(敬礼をするとき)頭の下げ方がたりない。礼を欠き,態度が横柄である。
- 〔推量の助動詞「むず(んず)」の撥音無表記。また,その中世以降の形「うず」からの転とも〕
推量または意志の意を表す。だろう。う(よう)。
「其殺さるる時は美しい物を著るよりは只藁草の中に居〈ず〉物をと思ふぞ/蒙求抄 1」
- あい-ず アヒヅ [1] 【合図・相図】 (名)スル (1) あらかじめ決めた方法で相手に意思や事柄を知らせること。また,その方法や信号。「目で―する」「―を送る」 (2) 約束。「七条河原にてひとつになれと,―を定めて出立けり/平家 8」
- あえ-ず アヘ― 【敢えず】 (連語) (動詞「敢(ア)ふ」の未然形に打ち消しの助動詞「ず」の付いたもの) 完全には…できない。…しきれない。「取る物も取り―」「言ひも―顔をば袖に摺付ける/多情多恨(紅葉)」 (主に和文に用いられた語)
- あお-ず アヲ― [0] 【青酢】 ゆでた青菜を裏ごししていれた酢。
- あか-ず [0] 【赤酢】 (1) 酒粕(サケカス)を原料としてつくる酢。甘みが強く,多く鮨(スシ)に使用。 (2) 梅酢の一種。赤ジソを混ぜて梅の実を漬けたときに採れる酸味の強い液。 白酢
- あげ-ず 【上げず】 (連語) 間をおかないで。「三日に―やってくる」
- あま-ず [0] 【甘酢】 三杯酢より甘みをきかせた酢。
- あら∘ず 【非ず】 (連語) (1) そうではない。違う。「こぞの夏鳴きふるしてしほととぎすそれか―∘ぬか声の変はらぬ/古今(夏)」 (2) (感動詞的に用いて)相手の言葉を強く打ち消す語。いえ,とんでもない。いいえ。「あれはたそ顕証(ケソウ)にといへば,―∘ず,家のあるじと定め申すべきことの侍るなり/枕草子 8」 [慣用] 数にも―・然(サ)に―・無きにしも―・吾(ワレ)にも―
- ある-ず ―ヅ 【有る図】 (名・形動) よくあること。よく起こること。また,そのさま。「御身のため悪(ア)ししといふも―なやつと/黄表紙・啌多雁取帳」
- あん・ず 【案ず】 (動サ変) あんずる
- あん-ず 【案主】 あんじゅ
- いか-ず (「行かず」の意) (1) 意地悪。ひねくれ者。「横車とはな,―というておのれがやうな女の唐名よ/浄瑠璃・十二段長生島台」 (2) 役に立たない人や物。「奈良の都に―の念者を見かぎり/浮世草子・男色大鑑 1」 (3) 年頃を過ぎても結婚していない女性。「皆,―の姉御をこはがり/浮世草子・風流曲三味線」
- いけ-ず [2] [0] (名・形動) (「行けず」の意から。関西地方でいう) (1) 意地の悪いさま。にくたらしいさま。また,その人。「―な男」 (2) 悪人。ならず者。「今も今とて―達がわつぱさつぱ/浄瑠璃・夏祭」
- いち-ず ―ヅ [2] 【一途】 (名・形動) [文] ナリ (1) 一つのことだけに打ち込むこと。ひたむきなさま。「―に思い込む」「―な思い」「研究―の男」 (2) 仏教で,悟りを求める一つの方法。 [派生] ――さ(名)
- いわ-ず イハ― 【言わず】 (連語) といわず
- いん-ず ヰン― [1] 【員数】 「いんずう(員数)」に同じ。
例文
- 分かりますかと尋ねると彼はうなずいた。
- 彼女はパーティーの間ずっと踊り続けた。
- 必ず明日までに宿題を提出してください。
- 彼はクラスのどの少年にも劣らず利口だ。
- 彼は年を取ってきたが相変わらず健康だ。
- 必ずドアに鍵を掛けるようにして下さい。
- 必ずそちらから電話をかけ直して下さい。
- 彼は金持ちなのに相変わらず不幸でした。
- その少年は衣類を残らず鞄に詰め込んだ。
- 歯垢がずいぶん付いていると思いますが。