つ 意味
- (1)五十音図タ行第三段の仮名。歯茎破擦音の無声子音と後舌の狭母音とから成る音節。
(2)促音(つまる音)を表す仮名。促音の場合,現代仮名遣いではなるべく小書きにするとされている。
(3)平仮名「つ」,片仮名「ツ」は,ともに「州」の略体あるいは「川」の全画からか。
- 【津】
三重県中部の市。県庁所在地。伊勢湾に臨み,古く,安濃津(アノツ)といい,三津(サンシン)の一。近世は藤堂氏の城下町。伊勢平野の商工業の中心。専修(センジユ)寺がある。
- 【津】
(1)海岸・河岸の船舶が来着する所。船つき場。渡し場。港。
(2)特に,船つき場や渡し場に対して,物資が集散し,集落が形成された所。港町。
- 〔完了の助動詞「つ」の終止形の用法から〕
動詞の連用形に付き,「…つ…つ」のように,「つ」を二つ重ねて用いられる。
(1)(「…つ…つ」の後にサ変動詞「する」を伴って)継続的に繰り返される二つの動作・作用を並べあげるのに用いる。…たり…たりする。
「家の前を行き―戻り―する」
(2)(「…つ…つ」の後に「する」以外の動詞がきて)下にくる動詞の表す動作・作用の連用修飾語として,二つの動作・作用を並べあげるのに用いる。
「しばらくはため―すがめ―,それを見ていた」「見え―隠れ―,ずっと後をつけて行った」
- 〔くだけた言い方の話し言葉に用いられる。「っつ」の形でも用いられる〕
数量を表す語に付いて,同じ割合であることを表す。ずつ。
「百円―与える」「みかんを二つっ―くばる」
- 完了の助動詞。下二段型活用。用言および助動詞「る」「らる」「す」「さす」「しむ」などの連用形に接続する。
(1)動作・作用が完了すること。また,すでに完了してしまったことを表す。…た。…てしまう。…てしまった。
「我も見〈つ〉人にも告げむ勝鹿の真間の手児名が奥つき処/万葉 432」「死にければ,陣の外に引き棄て〈つ〉/枕草子 9」
(2)ある事柄が実現することを確信をもって述べるのに用いる。たしかに…する。きっと…する。
「冬は雪をあはれぶ。積もり消ゆるさま罪障にたとへ〈つ〉べし/方丈記」「この事かの事怠らず成じ〈て〉ん/徒然 241」
(3)ある事実に対する確認の気持ちを表す。…た。
「真木柱太き心はありしかどこの我(ア)が心鎮めかね〈つ〉も/万葉 190」
(4)(「…つ…つ」の形で)二つの動作・作用が同時にまたは継起して行われることを表す。…たり…たりする。
「僧都,乗つてはおり〈つ〉,おりてはのつ〈つ〉,あらまし事をぞし給ひける/平家 3」「組ん〈づ〉組まれ〈つ〉,討ち〈つ〉討たれ〈つ〉,敵も御方(ミカタ)も隙のなきこそおもしろけれ/盛衰記 22」
〔(1)語源は,動詞「うつ(棄つ)」の「う」が脱落したものかという。(2)完了の助動詞「ぬ」とほぼ同じ意味・用法であるが,「つ」と「ぬ」との間には,次のような差異がみられる。(a)「つ」は他動詞に,「ぬ」は自動詞に付くことが多い。(b)「つ」は有意的動作を,「ぬ」は自然的作用を表す。(3)(4)の「…つ…つ」の用法は中世以降発達したもの。現代語では用法が固定化し,並立助詞として扱われる〕
→つ(並立助)
- 体言または体言に準ずるものに付いて,連体修飾語をつくる。の。
「沖―鳥/古事記(上)」「上―瀬/万葉 3907」「遠―神祖(カムオヤ)/万葉 4096」
〔上代の語。ただし,上代でも用法はやや固定化しており,中古以降は「夕つ方」「まつげ」など,複合語中に残存形をとどめるだけになる〕
- 1つ 一; 一つ
- 2つ 二つ
- 3つ 三つ
- 4つ 四つ
- 5つ 五つ
- 6つ 六つ
- 7つ 七つ
- 8つ 八つ
- 9つ 九つ
- あお・つ アフツ 【煽つ】 (動タ四) (1) あおいで強い風を起こす。あおぐ。「大うちはにて―・ちのけるがごとくでおぢやるによつて/狂言記・粟田口」 (2) 風で,物がばたばた動いたり,舞い上がったりする。「―・つ火燵の灰煙/浄瑠璃・本朝三国志」 (3) 手足であおぐような動作をする。じたばたする。「七転八倒目を見出し,手足を―・ち身をもがき/浄瑠璃・夏祭」 (4) 人の気持ちをそそり
- あか・つ 【分つ・頒つ】 (動タ四) (1) 分配する。「わりごもてきぬれば,さまざま―・ちなどして/蜻蛉(中)」 (2) ばらまく。「すなはち鬚髯(ヒゲ)を抜き―・つ/日本書紀(神代上訓)」
- あつ・つ (動) (活用は四段か上二段か未詳) もだえ狂い,跳ね回る。「其の人毒虫に刺されて,をめき,さけび,かなしび,のび,かがまり,―・ちて死にけり/塵袋」
- あま-つ 【天つ】 (連語) (「つ」は「の」の意の上代の格助詞) 天の。天にある。天上界に所属する。
- あわ・つ 【慌つ】 (動タ下二) あわてる
- あ・つ 【当つ・充つ・宛つ】 (動タ下二) あてる
例文
- この鍵をマットの下で見つけたんですが。
- 僕は彼女の電話番号を手帳に書きつけた。
- その病気の子供は日々よくなりつつある。
- その病気の子供は日々よくなりつつある。
- その王様はかつてあの宮殿に住んでいた。
- それは残酷な運命の極めつけの例である。
- 売り上げが増えるにつれて収益も上がる。
- さて、どこから手をつければいいのやら。
- 誰が次のレースに勝つか誰も分からない。
- 私はテストでいくつか間違えてしまった。