で 意味
- 「て」の濁音の仮名。歯茎破裂音の有声子音と前舌の半狭母音とから成る音節。
- 〔格助詞「に」に「て」の付いた「にて」の転。中古末から中世以降の語〕
※一※ (格助)
(1)動作・作用の行われる場所を表す。(ア)「デパート―買い物をする」「日本―初めての実験」(イ)「…でも,…でも」の形で,場所を列挙する。
「日本―も,アメリカ―も,青少年問題には悩んでいる」
(2)動作・作用が行われる時を表す。(ア)動作が行われる時期を表す。
「では」「でも」の形をとることが多い。「現在―は,簡単に解決する問題だ」(イ)動作・作用の期限・限度を表す。「新幹線は一時間―二百キロも走る」「一〇分間―答えてください」
(3)動作・作用を行う時の事情・状況を表す。
「はらぺこ―帰ってくる」「挨拶のつもり―声をかけたのだ」
(4)手段・方法,または道具・材料を表す。
「ペン―書く」「汽車―行く」「木と紙―できている日本の家」
(5)原因・理由・動機を表す。
「火事―一文なしになる」「撃たれた傷―死ぬ」「老師の一言―さとる」
(6)動作・状態の主体を表す。
「委員会―作成した原案」「そっち―ほれても,こっち―いやだ」
※二※ (接助)
〔※一※(5)の用法から転じたもの〕
原因・理由を表す。近世での用法。
「嬶達が先へ来て七十の賀を祝うてくれた―,今日の祝ひはさらりと仕舞うた/浄瑠璃・菅原」「馬鹿にされる―面白いのだが,馬鹿にされると気がついちやあもうおしまひだ/滑稽本・浮世床(初)」
〔(1)格助詞「で」は,近世以前でも,意味・用法は,現代語とほとんど変わらない。(2)接続助詞「で」が用いられるのは近世江戸語までで,現代語では,これに代わって,「ので」が用いられる〕
- (主として話し言葉で使う)
(1)前の事柄を受けて次の事柄を言い始めるのに用いる。それで。そこで。
「―,とうとう負けました」
(2)相手の話を促すとき使う。それから。
「―,どうした」
- 【出】
(1)内から外へ出ること。また,出る具合・程度。
「人の―が少ない」「水の―が悪い」
(2)勤め人・役者・芸者などが仕事の場に出ること。
「午後からの―」「楽屋で―を待つ」「早―」
(3)ほかの物や基準の線から突き出ていること。
「日の―」「軒の―」
(4)物事をする時のしはじめ。でだし。
「―が一拍遅れる」
(5)何らかの作用によって,物事が現れること。また,その具合。
「色の―が悪い」
(6)人や物の経てきたところ。出身・出自・素性・出所など。
「この壺(ツボ)なら―は確かでございます」「高校―の選手」
(7)予想以上に労力・時間を要すること。また,それによって得られる充実感・満足感。
「歩いてみると歩き―がある」「読み―がない」「使い―がある」
- 断定の助動詞「だ」の連用形。連用中止法に用い,また,「ある」「ない」「あります」「ございます」などに続けて用いる。
〔古語の断定の助動詞「なり」の連用形「に」に助詞「て」の付いた「にて」の転。中古末から中世へかけての成立〕
→だ(助動)
- 〔打ち消しの助動詞「ず」の古い連用形「に」に接続助詞「て」の付いた「にて」の転という。中古以降の語〕
動詞および動詞型活用の助動詞の未然形に接続する。打ち消しの意を表し,下に続ける。…ないで。…ずに。
「待てといふに散ら―しとまるものならばなにを桜に思ひまさまし/古今(春下)」「おのがかく今日明日におぼゆる命をば,何ともおぼしたら―,雀慕ひ給ふほどよ/源氏(若紫)」
〔語源については「ずて」その他の説もある〕
- あさ-で [0] 【浅手・浅傷】 浅い傷。軽いけが。うすで。 深手
- あし-で [0] 【葦手】 (1) 文字を絵画風にくずして,水辺の葦を中心に水流・岩・草・鳥などをかたどったもの。平安時代に行われた。文字絵。葦手書き。 (2) { (1) }に描かれているような文字の書体。 (3) 「葦手絵」に同じ。
- あつ-で [0] 【厚手】 (名・形動) 布・紙・陶器などの地の厚い・こと(さま)。 薄手 「―の織物」
- いえ-で イヘ― [0] 【家出】 (名)スル (1) ひそかに自分の家を出て,帰らないこと。出奔(シユツポン)。「―して都会に出る」 (2) 外出。「さびしさに―しぬべき山里を/詞花(雑上)」 (3) 僧になること。出家。「世の中を憂しと思ひて―せし/万葉 3265」
- いか-で 【如何で・争で】 (副) (「いかにて」の転。平安時代から主に和文で使われ,文末に推量表現を使うことが多い) (1) 疑問の意を表す。どうして。「―,はた,かかりけむ/源氏(帚木)」 (2) 反語の意を表す。どうして…できようか。「―月を見ではあらむ/竹取」 (3) 強い願望を表す。なんとかして。ぜひ。「―人より先に聞かむと待たれて/枕草子 41」
- いた-で [0] 【痛手】 (1) 重い傷。ふかで。重傷。「身に―を負う」 (2) (物質的・精神的に受けた)はなはだしい打撃。「不況で―を受ける」「失恋の―」
- いま-で 【今出】 新参。新入り。「―の初心な女郎衆を初め/浮世草子・禁短気」
- い-で ヰ― 【井手】 田に水を引き入れるため,川の流れをせき止めてある所。井堰(イセキ)。「瀬を速み―越す波の/万葉 1108」
- うす-で [0] 【薄手】 (名・形動) [文] ナリ (1) 紙・布・陶器などの厚みが少ない・こと(さま)。 厚手 「―の茶碗」 浅い傷。 厚手.html">厚手 「―の茶碗」 浅い傷。 「小次郎が―負たるをだに/平家 9」
- うち-で [0] 【打ち出】 打ち出すこと。
- えん-で [0] 【燕手】 歌舞伎の鬘(カツラ)の一。月代(サカヤキ)がのび,髷(マゲ)の両側へ燕(ツバメ)の翼のような形に張り出したもの。「伽羅先代萩(メイボクセンダイハギ)」の仁木弾正など,凄(スゴ)みのある役や敵役が用いる。えんでん。
- おお-で オホ― [0] 【大手】 肩から指の先まで。手の全体。 ――を広・げる 相手の前で大きく両手を広げ,進ませないようにする。 ――を振(フ)・る (1) 歩くときに両手を大きく振る。 (2) 他人に遠慮せずに堂々と行動するさまをいう。「これで―・って家に帰れる」
- おそ-で [0] 【遅出】 遅く出勤すること。 早出
- おも-で [0] 【重手・重傷】 生命にかかわる深い傷(キズ)。ふかで。
- かえ-で カヘ― [0] 【替手】 (「かえて」とも) 主として地歌や箏曲などの邦楽で,本手(ホンテ)と合奏するためにあとから付け加えて作曲された別な旋律。 本手
例文
- この鍵をマットの下で見つけたんですが。
- この鍵をマットの下で見つけたんですが。
- 電話のせいで会話が中断される事が多い。
- このエレベーターで10階まで行けます。
- このエレベーターで10階まで行けます。
- 父は私が山へ1人で行くことに反対した。
- 「手伝ってくださいませんか」「喜んで」
- 公益事業部門の急成長を見込んでいます。
- 幸福は金で買えないのは言うまでも無い。
- 幸福は金で買えないのは言うまでも無い。