とじる 意味
- 【閉じる】
□一□(自動詞)
(1)しまる。ふさがる。
「門が―・じる」「貝の殻が―・じる」
(2)終わりになる。
「会が―・じる」
(3)水がこおる。固まって形になる。
「つらら―・ぢ駒(コマ)踏みしだく山川を/源氏(椎本)」
□二□(他動詞)
(1)開いていたものをふさがった状態にする。しめる。ふさぐ。
「窓を―・じる」「箱のふたを―・じる」「目を―・じる」
(2)ひろがっていたものを,まとまった状態にする。たたむ。
「傘を―・じる」
(3)集会や営業などを終わりにする。やめる。
「総会を―・じる」「店を―・じる」
(4)とじこめる。
「いまはわれ松の柱の杉の庵に―・づべきものを苔深き袖/新古今(雑中)」
⇔開く
- 【綴じる】
〔「閉づ」と同源〕
(1)一つにつづり合わせる。縫いつける。
「半紙を―・じて冊子にする」「布を当ててざっと―・じておく」
(2)(料理で)卵汁・溶いた葛などで具をまとめる。
︱慣用︱ 幕を―
- 閉じる とじる 閉める しめる
- いとじるし 【糸印】 裁縫で,糸でつけた印。へらやルレットの使えない布に用いる。
- おことじる 【御事汁】 江戸時代,「御事始め{(1)}」と「御事納め{(1)}」に食べたみそ汁。大根・里芋・牛蒡(ゴボウ)・こんにゃく・人参・豆腐などを入れて作った。おことに。
- とじ 【刀自】 〔戸主(トヌシ)の意。「刀自」は当て字〕 (1)一家の主婦。いえとじ。 「我(ア)が子の―を/万葉 723」 (2)老女の尊称。とうじ。 「いませ母―面変はりせず/万葉 4342」 (3)他家に仕えて雑役をする女。 「宮々の―・をさめにても/栄花(若生え)」 (4)宮中の台盤所・御厨子所(ミズシドコロ)・内侍所などに仕えた下級の女官。 「台盤所の―といふ者の/枕草子
- あも-とじ 【母刀自】 (上代東国方言) 母を敬っていう語。「―も玉にもがもや戴きて/万葉 4377」
- いえ-とじ イヘ― 【家刀自】 (「とじ」は婦人の尊称) 一家の主婦。いえのとじ。いえとうじ。「―,家長(イエギミ)に告げて曰はく/霊異記(中訓注)」
- いと-とじ ―トヂ [2] 【糸綴じ】 本製本で,中身の背を糸を用いて折丁ごとに綴じ合わせる方法。糸かがり。
- おお-とじ オホ― [3] 【大刀自】 (1) 大化前代,宮廷に仕えた女性の称号。 (2) 律令制下の後宮制度で,皇后・妃に次ぐ位の夫人。 (3) 「刀自(トジ)」の尊称。「名は飯盛の―といふ/播磨風土記」
- おとじ 【大刀自】 ⇒おおとじ(大刀自)
- おも-とじ 【母刀自】 母の敬称。ははとじ。「雪よりけなる―の乳房のむくい/好忠集」
- お-とじ 【大刀自】 おおとじ
- から-とじ ―トヂ [0] 【唐綴じ】 (1) 中国風の書物の綴じ方。胡蝶装(コチヨウソウ)・粘葉装(デツチヨウソウ)など。 大和綴じ (2) 袋綴じのこと。
- かり-とじ ―トヂ [0] 【仮綴じ】 (名)スル 「仮製本(カリセイホン)」に同じ。
- かわ-とじ カハトヂ [0] 【革綴じ】 革紐(カワヒモ)で綴じること。
- きく-とじ ―トヂ [0] 【菊綴じ】 直垂(ヒタタレ)・水干・素襖(スオウ)などの縫い目に補強と装飾を兼ねてとじつけた組紐。先端を総状にほぐして,菊の花の形にした。後世,くけ紐・革紐も用い,先端をほぐさないものは結び菊綴じといった。
例文
- 紙をとじるのにホチキスはとても便利だ。
- 目をとじるか閉じないうちに私は眠ってしまった。
- 卵でとじる場合は蒲鉾を加えることも多い。
- 醤油や味噌などで味を調えたら真ん中に寄せて卵でとじる。
- 1951年(昭和26年)、老衰により渡島当別の自宅にて生涯をとじる。
- 青森では居酒屋で貝焼き味噌(ホタテの貝柱やヒモ、刻みネギ、削り節を味噌で煮て卵でとじる)と言えばメジャーな料理である。
- 調味料として醤油やカレー粉や胡椒を若干加えたり、具としてゴボウ、タケノコ、コンニャクを入れたり、生卵で柳川鍋のようにとじることもある。
- 吉本印天然素材(よしもとじるしてんねんそざい)は、1991年9月、吉本興業所属の若手芸人で結成された、ダンスとお笑いをミックスしたユニット。
- 『妹汁』(いもうとじる)は、アトリエかぐや Berkshire Yorksireが2002年12月13日に発売した18禁恋愛シミュレーションゲームである。
- 端末を閉じると自動でロックがかかる「とじるとロック」や、端末を失くした場合に公衆電話や固定電話などから電話をかけて端末をロックする「遠隔オートロック」機能を搭載した。