はね 意味
- 【刎ね】
〔「撥ね」と同源〕
助数詞。兜(カブト)などを数えるのに用いる。
「鎧二領に兜二―/謡曲・碇潜」
- 【跳ね】
(1)跳ねること。
(2)泥などを跳ね上げること。また,その泥。
「―が上がる」
(3)芝居などで,その日の興行が終わること。打ち出し。
(4)(「綽」とも書く)囲碁で,相手の石の進行を抑えるような形で,相接する自分の石から斜めに打つ手。
(5)物事の終わり。また,区切り。
「これを―に退(ノ)いておくれ/洒落本・南遊記」
- 【撥ね】
〔「跳ね」と同源〕
(1)漢字を書くとき,運筆の最後を跳ねるように曲げること。また,文字のその部分。
(2)ピンはねしたもの。ピン。
「袋に扶持方米(フチカタゴメ)の―入れさせ/浮世草子・武道伝来記 8」
- 【羽・羽根】
(1)鳥の体表に生えている毛。表皮の変形したもの。羽毛(ウモウ)。
(2)鳥・昆虫類の飛ぶための器官。
「―をひろげる」
〔昆虫類では「翅」とも書く〕
(3)飛行機の翼。
(4)矢の本(モト)につけてある鳥の毛。やばね。《羽根》
(5)「はご(羽子)」に同じ。《羽根》「―をつく」﹝季﹞新年。《大空に―の白妙とゞまれり/虚子》
(6)バドミントンのシャトルのこと。
(7)流体を受けたり,流体に圧力を加えたりするための板。水車・風車,船や飛行機の推進器,タービンなどの回転軸に取り付ける。
(8)家紋の一。{(5)}を図案化したもの。
――が生えたよう
商品がすばらしい勢いで売れるさま。また,物のなくなるのが早いさま。
――を交(カ)わ・す
男女の情愛がこまやかであることにいう。
「―・さむとは引きかへて,弥勒(ミロク)の世をかね給ふ/源氏(夕顔)」
→比翼(ヒヨク)
――を交(カ)わせる鳥
「比翼(ヒヨク)の鳥」に同じ。
「生きての世死にてののちののちの世も,―となりなむ/大鏡(師尹)」
――を並・ぶ
(1)男女が寄り添って愛情こまやかに暮らす。比翼連理の契りを結ぶ。
「―・べ枝を交さむと契らせ給ひしに/源氏(桐壺)」
(2)臣下が並んで主君を補佐する。
「仕うまつりしきはは,―・べたる数にも思ひ侍らで/源氏(行幸)」
――を伸ば・す
(1)抑えられた状態から解放されて,のびのびと振る舞う。
「久しぶりに―・す」
(2)勢力をのばす。
「将来社会に羽(ハ)を伸(ノ)すことが出来る/社会百面相(魯庵)」
- いわ-はね イハ― [0] 【岩跳ね】 山跳ね
- おはね 【御跳ね】 はねっかえり娘。おてんば娘。
- お-はね [2] 【御跳ね】 はねっかえり娘。おてんば娘。
- どろ-はね [0] 【泥跳ね】 泥がはねること。また,その泥。跳ね。
- はねぎ 【葉葱】 緑色の葉の部分を食用にするネギの総称。青ネギ。 ; 【跳ね木・刎木・桔木】 梃子(テコ)の原理を応用して,長く突き出た軒先の低下を防ぐために軒裏に用いる材。上方を小屋束(コヤヅカ)に固定し,土居桁(ドイゲタ)や出梁上の桔木枕などを支点として軒先を支える。 →小屋組
- はねず 【唐棣・棠棣】 (1)植物の名。ニワウメの古名か。 「夏まけて咲きたる―/万葉 1485」 (2)「はねず色」の略。 「浄位より已上(カミツカタ)は,並に―を着る/日本書紀(天武下訓注)」
- はねだ 【羽田】 東京都大田区南東端,多摩川(六郷川)河口北岸に沿う工業地区。東京国際空港がある。 ; 【羽田】 姓氏の一。
- はねに 【撥ね荷・刎ね荷】 「打ち荷」に同じ。
- はねび 【跳ね火】 はじけて飛ぶ火の粉。はしり火。
- はねる 【跳ねる】 (1)はずみをつけて飛び上がる。跳躍する。 「子供が喜んでぴょんぴょん―・ねる」「池の鯉(コイ)が―・ねる」「築地を越え―・ね入て/平家 5」 (2)まわりに飛び散る。また,はじける。 「泥が―・ねる」「油が―・ねる」「火中の栗が―・ねる」「只松葉の―・ねる音が聞こえる許りだ/風流懺法(虚子)」 (3)先端が上を向く。 「房の先が―・ねる」 (4)活発である。 「な
- はね波 水煙; 波の花; しぶき
- はね鬘 はねかずら 年頃になった少女がつける髪飾り。鳥の羽あるいは菖蒲(シヨウブ)の葉を鬘にしたものかという。 「―今する妹がうら若み/万葉 2627」
- はね-あり [0] 【羽蟻】 はあり
- はね-うま [2] [0] 【跳ね馬】 癇が強く,跳びはねる癖のある馬。悍馬(カンバ)。
- はね-おと [0] 【羽音】 はおと
例文
- 通りを渡っていて、彼は車にはねられた。
- この問題を即座にはねつけてはならない。
- もうすこしで車にはねられるとこだった。
- 上司は新しい企画の予算案をはねつけた。
- 彼は危うく車にはねられるところだった。
- ボールははねて隣の庭へ入ってしまった。
- 私の提案はたちどころにはねつけられた。
- 少年が車にはねられるのを見たのです。
- 通りがかりの車が私たちに水をはねた。
- 彼女は通りを横断中に車にはねられた。