命 意味
- いのち ①
(1)生物を生かしていく根源的な力。生命。
「―の恩人」「―を捧げる」
(2)生涯。一生。
「短い―を終えた」
(3)寿命。
「―の限り」「―を長らえる」
(4)一番大事なもの。ただ一つのよりどころ。
「―とたのむ」「画家にとって絵筆は―だ」
(5)近世,主に遊里で,相思の男女が互いの名前の下に添えて,「吉さま命」などと二の腕に入れ墨をした文字。心変わりのないことを誓うもの。
――あっての物種(モノダネ)
何事も生きていればこそできる。死んでは何にもならないということ。命が物種。
――生・く
(1)生き長らえる。
「とく逃げのきて―・きよ/宇治拾遺 2」
(2)危ういところを助かる。命をとりとめる。
「からき―・きたれど,腰斬り損ぜられて/徒然 87」
――から二番目
命の次に大切なもの。非常に大切にしているものをいう。
――死・ぬ
命が絶える。死ぬ。
「ぬばたまの甲斐の黒駒,鞍着せば―・なまし,甲斐の黒駒/日本書紀(雄略)」
――過・ぐ
死ぬ。
「犬じもの道に臥してや―・ぎなむ/万葉 886」
――つれな・し
(1)命に別状ない。
(2)死ぬに死ねない。
「惜しからぬ―・く長らへば/新千載(雑)」
――長ければ辱(ハジ)多し
〔荘子(天地)〕
長生きをすると,それだけ恥をさらすことが多い。
――なりけり
生きていたからこそだ,の意。
「春ごとに花のさかりはありなめどあひみむ事は―/古今(春下)」
――にか・える
生命と引き換えにする。あるものを大事に守る気持ちをいう。
「―・えても守る」
――に懸けて
生命を捨てる覚悟で。
――は義に縁(ヨ)りて軽し
〔後漢書(朱穆伝)〕
命は貴重なものだが,義のためには捨てても惜しくない。
――は鴻毛(コウモウ)より軽し
〔司馬遷「報任安書」より。「鴻毛」はおおとりの羽毛で,きわめて軽いもののたとえ〕
(国家や君主のために)命を捨てることは少しも惜しくない。
――は風前(フウゼン)の灯(トモシビ)の如し
〔倶舎論疏〕
(1)人の命は消えやすくはかないものである。
(2)危険がさし迫っていることのたとえ。
→風前の灯
――待つ間(マ)
命が終わるのを待つ間。
「ありはてぬ―のほどばかりうき事しげくおもはずもがな/古今(雑下)」
――を落と・す
死ぬ。
――を懸・ける
死ぬか生きるかの覚悟で事に当たる。
――を削・る
自分の命を縮めるほど苦労をする。
――を捧(ササ)・げる
大切に思う人や事のために,命を差し出す。命を投げ出す。
――を捨・てる
(1)ある事のために死ぬ。
「祖国独立のために―・てる」
(2)死ぬべきでないのに死ぬ。
「早まって―・てるな」
――を繋(ツナ)・ぐ
生き続ける。命を継ぐ。
――を拾・う
危うく死を免れる。命拾いをする。
- めい ①
(1)いのち。生命。
「一―をとりとめる」
(2)命令。言いつけ。
「―にそむく」
(3)運命。
――旦夕(タンセキ)に迫(セマ)・る
臨終が今夜か明朝かという状態になる。死が迫る。
――は天に有り
運命は天の定めるところで,人間の力ではどうすることもできない。
――を革(アラタ)・む
天命が改まる。王朝が変わる。革命(カクメイ)。
「天地―・むべき危機ここに顕れたり/太平記 1」
- 命・尊 みこと ◎ 〔「御(ミ)事」の意〕 ※一※ (名) 神や貴人の名前の下につける尊称。 「素戔嗚(スサノオノ)―」 〔日本書紀では,「尊」を最も貴いものに,「命」をその他のものに使う〕 ※二※ (代) 中古後期には,人を軽く見たりからかったりした気持ちで用いる。 (1)二人称。おまえさん。あんた。 「白事(シレコト)なせそ,―/今昔 28」 (2)三人称。おかた。ひと。 「
- 呼韓邪単于 こかんやぜんう (?-前31) 匈奴(キヨウド)の単于。兄の郅支(シツシ)単于と匈奴を東西に二分して対立。漢が郅支を滅ぼすと,王昭君を妻に迎え,漢と友好関係を結んだ。
- 呼集める 狩り集める; かり集める; 狩集める; 駆集める; 寄集める; 集める; 結集する; 集合する; 聚合する; 集結する; 揃える; 駆りあつめる; 駆り集める; 寄せ集める; 呼び集める
- 命からがら 命辛々; 命辛辛
- 呼集する 動員する; 召集する
- 命がけ 一生けんめい
- 呼集 こしゅう ◎ (軍隊などで散らばっている人々を)呼び集めること。 「非常―」
- 命じる めいじる ◎③ 〔サ変動詞「命ずる」の上一段化〕 「命ずる」に同じ。 「接待役を―・じる」
- 呼鈴 呼びりん; 呼び鈴; ベル; ブザー; ドアベル
- 命ずる めいずる ◎③ (1)言いつける。命令する。 「部下に―・じて,やらせる」 (2)ある役職を言いつける。任命する。 「係長を―・ずる」 (3)名前をつける。命名する。
例文
- それは残酷な運命の極めつけの例である。
- 彼は一生懸命勉強したが、また失敗した。
- 彼は外国車を買うために一生懸命働いた。
- 落第しないように一生懸命勉強しなさい。
- 命にかかわるような病気ではありません。
- 彼は一生懸命ホットドッグを売っている。
- 彼は試験に通るために一生懸命勉強した。
- 彼は友人の命を救った事で英雄視された。
- 我々は絶体絶命のピンチに追い込まれた。
- 致命的にならない限り失敗はしてもいい。