辺 意味
- へん ◎
(1)場所などのおおよその見当を示す。大体そのあたり。
「橋の―で追いついた」「青森―は雪らしい」
(2)事柄などを漠然と示す。
「その―のいきさつは聞いていない」「その―の事情は複雑だ」
(3)おおよその程度や範囲などを示す。くらい。
「成績は,まあその―だ」「今日はこの―でやめておこう」
(4) ①
〔数〕(ア)多角形を作り上げている線分。(イ)角の頂点から出ている二つの半直線。(ウ)多面体・多面角の面と面との交線。稜(リヨウ)。
(5)〔数〕 等式・不等式で,等号または不等号の両側にある式や数。
(6)囲碁で,盤面の隅と中央を除いた盤側に平行な部分。
(7)漆液を採取するとき幹につける水平な傷。
- 端・辺 へた はし。へり。また,波うちぎわ。 「近江の海―は人知る沖つ波君をおきては知る人もなし/万葉 3027」
- 辺・方 へ ※一※ ① (名) 〔濁音化して「べ」とも〕 (1)ほとり。あたり。 「大君の―にこそ死なめ顧みはせじと言立て/万葉 4094」 (2)海辺。海の岸に近い所。沖に対していう。 「沖辺行き―に行き今や妹がため/万葉 625」 ※二※ (接尾) 〔普通「え」と発音され,また,濁音化して「べ」ともなる〕 ⇒べ(接尾) ⇒え(接尾) ; べ 〔名詞「へ(辺・方)」から〕
- 辺・畔 ほとり ◎③ (1)川や池などの水際。きわ。ふち。 「川の―」 (2)あるもののかたわら。そば。 「目の前に見え,耳の―に聞ゆるが儘なりき/即興詩人(鴎外)」「天満天神の注連の―を心細くも立離れ/平家 8」 (3)端。果て。境界。 「東の夷多(サワ)に叛きて―騒き動(トヨ)む/日本書紀(景行訓)」「郷の南の―に勢多河有り/今昔 30」 (4)ある地点の周囲一帯。また,場所に関して
- 辺・端 へち ② (1)はずれ。ふち。 (2)(釣りで)川や湖沼などのへり。また,堤防などの波打ち際。 「―をねらう」
- 辷る 上滑りする; スライドする; スライディングする; 滑走する; 滑る; 横すべりする; スリップする; 横滑りする
- 辷り止め 滑り止め
- 辺つ櫂 へつかい 〔「つ」は格助詞で「の」の意〕 岸に近い海を漕ぐ櫂。 ⇔沖つ櫂 「―いたくなはねそ/万葉 153」
- 辷らす 滑らす
- 辺つ風 へつかぜ 〔「つ」は格助詞で「の」の意〕 岸に近い海に吹く風。 ⇔沖つ風 「かくせばわれ沖つ風―を起こして/日本書紀(神代下訓)」
- 辷 【辷】 (画 数) 5画 (音 訓) すべる (区 点) 7772 (JIS) 6D68 (シフトJIS) E788 (熟語一覧) 10項目 肩辷り 猿辷り 地滑り・地辷り 滑す・辷す 滑らかす・辷らかす 滑り・辷り 滑る・辷る・退る 脊椎辷り症 戸辷り 横滑り・横辷り
- 辺ばむ ほとりばむ (1)端近(ハシヂカ)である。 「廊など,―・みたらむに住ませ奉らむも/源氏(東屋)」 (2)浅はかである。 「さやうの―・みたらむ振舞,すべきにもあらず/源氏(東屋)」
- 辵 【辵】 (画 数) 7画 (音 訓) チャク,すすむ,しんにょう (熟語一覧) 2項目 之繞・辵 之繞・辵
- 辺ぴ 僻遠の; 僻遠; 人遠い; 草ぶかい; 人里離れた
例文
- 私にご用でしたらどこかその辺にいます。
- この辺にガソリンスタンドはありますか。
- 彼は海辺の別荘を買うことに決めている。
- この辺でスーパーってどこにありますか?
- この辺で茶色い財布を見ませんでしたか。
- この近辺では窃盗犯に警戒してください。
- 彼はこの辺りの人をたくさん知っている。
- この辺りにユースホステルはありますか?
- 田辺先生はただいま外出しております。
- 私たちはきのう海辺で楽しく過ごした。