塗炭の苦しみ 意味
- とたんのくるしみ ⑧
泥や火の中にいるようなひどい苦しみ。水火の苦しみ。
「―をなめる」「斯る―を見るより/経国美談(竜渓)」
- 死の苦しみ 断末前の苦しみ
- 産みの苦しみ うみのくるしみ ◎⑥ (1)出産のときの苦しみ。陣痛。 (2)物を作り出したり,はじめて物事を始めるときの苦しみ。 「―を味わう」
- 断末前の苦しみ 死の苦しみ
- 断末魔の苦しみ 混乱; 動揺
- 苦しみ くるしみ ◎③ 苦しむこと。苦痛。 「産みの―」
- 塗炭 とたん ◎ 〔泥にまみれ,炭火に焼かれる意〕 非常に苦しい境遇。
- 苦し にがし ⇒にがい(苦)
- 暑苦し・熱苦し あつくろし 「あつくるしい」に同じ。 「ええ―・し,誰ぢやいや/浄瑠璃・卯月の紅葉(中)」
- しみ 【至味】 この上もないよい味。また,その食べ物。 ; 【詩味】 詩的な味わい。詩趣。 「―あふれる作品」 ; 【紙魚・衣魚・蠹魚】 (1)総尾目シミ科の昆虫の総称。体長10ミリメートル前後。体は細長く,尾端に二本の尾角と一本の尾毛がある。体は銀白色の鱗(ウロコ)におおわれ,長い触角をもつ。和紙・衣料・穀類などを食害する。しみむし。﹝季﹞夏。 (2)特に,ヤマトシミのこと。古
- 倍の苦労 倍の難儀
- 八朔の苦餅 はっさくのにがもち 八朔の祝いにつくるぼた餅。この日以後下男・下女の夜なべが始まる。八朔の泣きまんじゅう。八朔の涙飯。
- 四生の苦輪 ししょうのくりん 〔仏〕 一切衆生(シユジヨウ)が四生に生まれ変わり,繰り返し苦しみを味わうこと。
- 多くの苦労 たくさんの難儀
- 心の苦労 心労
- 生死の苦海 しょうじのくかい 衆生(シユジヨウ)が三界に生死流転(ルテン)することを海にたとえた語。生死の海。 「ついには―を渡つて菩提の岸に到るものなり/妻鏡」
例文
- 皆に 長きにわたり 塗炭の苦しみを味わわせた。
- 皆に 長きにわたり 塗炭の苦しみを味わわせた。
- 枕崎台風は原爆投下直後の広島に塗炭の苦しみを味わわせた。
- 終戦直後より在満・在朝日本人は塗炭の苦しみを味わうことになった。
- 世界恐慌時に、デフレ不況が吹き荒れ、世界中の人々は塗炭の苦しみを味わった。
- 石上は運動にのめりこんで放校になり、塗炭の苦しみを嘗めたが、太宰は実家の威勢などを背景に放校を免れた。
- 加えて、外地から引き揚げる元同盟社員は資産のない時事が引き受けねばならず、長谷川は塗炭の苦しみを味わった。
- いずれにせよ、戦争と伝染病で手ひどく痛めつけられたこの町は、三十年戦争以後の200年以上にわたって貧困と塗炭の苦しみに苛まれた。
- のちに帝位を僭称し、悪政を極め、五丈の民に塗炭の苦しみを強いていたが、鎮南将軍 竜我雷の率いた南京楼軍により追い詰められ討たれる。
- 浅沼がこのように踏み出した発言をした背景には、かつて戦争に協力して、中国の人々に塗炭の苦しみを与えたという深い自責の念があったと言われている。