あだ-の-おおの 意味
- ―オホノ
【阿太の大野】
大和国宇智(今の奈良県五条市東部)の野。ハギの名所。((歌枕))「ま葛原なびく秋風吹くごとに―の萩の花散る/万葉 2096」
関連用語
あだのおおの: 【阿太の大野】 大和国宇智(今の奈良県五条市東部)の野。ハギの名所。((歌枕))「ま葛原なびく秋風吹くごとに―の萩の花散る/万葉 2096」
うち-の-おおの: ―オホノ 【内の大野・宇智の大野】 奈良県五條市,旧宇智郡北宇智村付近にあった野。古代,狩猟の地。宇智野。内野。((歌枕))「たまきはる―に馬並めて/万葉 4」
おおの-の-あずまひと: オホノ―アヅマヒト 【大野東人】 (?-742) 奈良時代の武将。蝦夷(エゾ)征伐に参加。のち鎮守府将軍・陸奥按察使(アゼチ)を歴任。藤原広嗣の乱を平定した。多賀城を築く。
おおの: 【大野】 (1)福井県北東部,大野盆地にある市。旧城下町。織物業が盛ん。スキー場や観光地に富む。 (2)北海道南西部,渡島(オシマ)支庁亀田郡の町。北海道の水田発祥の地。 (3)岐阜県南西部,揖斐(イビ)郡の町。古墳・条里制遺構が残る。富有柿を特産。 (4)広島県南西部,佐伯郡の町。カキの養殖が盛ん。大野瀬戸を隔てて厳島(宮島)がある。 (5)大分県南部,大野郡の町。大部分は阿蘇溶岩
あだし-の: 【徒野・仇野・化野】 (1) 京都市右京区嵯峨,小倉山のふもとの野。火葬場のあった地として,東山の鳥辺野とともに有名。((歌枕))「―の露吹みだる秋風になびきもあへぬ女郎花かな/金葉(秋)」 (2) 墓地。「灰寄せなりとて,おの 卯木(ウツギ)の箸折りて,―にむかふ/父の終焉日記」
おおのか オホ―: (1)規模や分量・程度などがきわめて大きいさま。 「さる―なるものは所せくやあらんと思ひしに/枕草子 97」 (2)おおげさなさま。 「あさましう―にもいふものかなと/宇治拾遺 1」
おおのがい: 【大野貝】 海産の二枚貝。貝殻は灰白色で褐色の殻皮をかぶり,長卵形。殻長10センチメートル内外で,薄くもろい。砂泥に深くもぐり,長い水管を出す。食用。九州以北の内湾にすむ。大村貝。文殊(モンジユ)の白貝。
おおのら: 【大のら】 ひどいなまけもの。また,酒びたりの人。 「やあ,此半七の―めは/浄瑠璃・長町女腹切(上)」
おおのり: 【大乗】 謡で,リズムのとり方の一種。八音節を八拍子の各一拍にあてる謡い方。舞踊的な雰囲気の濃い力強いリズムで,舞の前後や神・鬼など夢幻的役柄の動きの部分などに用いられる。 〔普通「大ノリ」と書く〕 →中乗(チユウノリ) →平乗(ヒラノリ)
おおの-がい: オホ―ガヒ [3] 【大野貝】 海産の二枚貝。貝殻は灰白色で褐色の殻皮をかぶり,長卵形。殻長10センチメートル内外で,薄くもろい。砂泥に深くもぐり,長い水管を出す。食用。九州以北の内湾にすむ。大村貝。文殊(モンジユ)の白貝。
おおの-じょう: オホノジヤウ 【大野城】 (1) 福岡県太宰府市,粕屋郡宇美町・大野城市にまたがる四王寺山にある古代の朝鮮式山城。665年大宰府の防備のために南側の基肄城(キイジヨウ)とともに造られた。 (2) 地名(別項参照)。
いわた-の-おの: イハタノヲノ 【石田小野】 京都市伏見区石田(イシダ)付近の野。((歌枕))「山科(ヤマシナ)の―のははそ原見つつか君が山路越ゆらむ/万葉 1730」
おのえ-の-まつ: ヲノヘ― 【尾上の松】 古歌などに詠まれた松の名。兵庫県加古川市尾上神社にある「尾上の松」,対岸の高砂市高砂神社の「高砂の松」のいずれをさすか不明。「高砂の―に吹く風の/千載(恋一)」
おの-の-いもこ: ヲノ― 【小野妹子】 推古朝の官人。607年聖徳太子の命により,第一回の遣隋使となり,翌年隋使裴世清(ハイセイセイ)とともに帰国した。同年再び,南淵請安・僧旻・高向玄理らの留学生を伴って隋に渡り,翌年帰国。生没年未詳。
おの-の-おつう: ヲノ― 【小野お通】 浄瑠璃「十二段草子」の作者と伝えられる伝説的な女性。小野正秀の女(ムスメ)で,淀君に仕え,管弦・歌道に秀でたといわれる。 (現在では十二段草子の作者説は否定されている)