す 意味
- (1)五十音図サ行第三段の仮名。歯茎摩擦音の無声子音と後舌の狭母音から成る音節。
(2)平仮名「す」は「寸」の草体。片仮名「ス」は「須」の末三画の行書体。
- 【素】
※一※ ①◎ (名)
他のものが付け加わらず,そのものだけの状態。
「―のままの顔」「姫はいつも―なる底深き目なざしもて/浴泉記(喜美子)」
※二※ (接頭)
(1)名詞に付く。(ア)他のものがまじらずそのものだけ,ありのままであることを表す。
「―顔」「―肌」「―うどん」「―泊まり」(イ)みすぼらしい人,平凡であるなど軽蔑の意を添える。「―町人」「―浪人」
(2)形容詞などに付いて,普通の程度を超えている意を添える。
「―早い」「―ばしこい」
- 【酢・醋】
酢酸を含む,すっぱい液体調味料。古来,酢酸菌による酒の発酵によって作った。米・果実など原料によって風味が異なり,合成酢もある。殺菌力・防腐力が強い。食酢。
「―漬け」「三杯―」
→酢酸(サクサン)
――が過・ぎる
物事の程度が超える。
「すいの口から―・ぎた/洒落本・玉菊灯籠弁」
――でさいて飲・む
いちいち欠点をあげたてることのたとえ。
「めをとの衆が此の今を―・むやうに,言ひたいがいに言ひこめて/浄瑠璃・卯月の潤色(中)」
――でも蒟蒻(コンニヤク)でも
どうにも手に負えないことにいう。どうにもこうにも。
「新造の癖に―いけた奴ぢやない/歌舞伎・飛馬始」
――に当て粉(コ)に当て
「酢につけ粉につけ」に同じ。
「―一日此事いひやまず/浮世草子・五人女 2」
――につけ粉(コ)につけ
何かにつけて。酢に当て粉に当て。酢につけ味噌につけ。
「これおやじ,そなたはお花が継父(ママテテ),―憎いのもことはり/浄瑠璃・長町女腹切(中)」
――にも味噌(ミソ)にも
「酢につけ粉につけ」に同じ。
「―慰みにも,是を年中にもりつけて/浮世草子・一代女 5」
――の蒟蒻(コンニヤク)の
〔「四の五の」をもじった語か〕
何のかの。あれやこれや。
「とかく―といつて受けとりませぬ/黄表紙・孔子縞于時藍染」
――を買・う
いらぬ口出しをして怒らせる。また,扇動する。酢を乞う。[日葡]
- 【馬尾】
(1)馬の尾の毛。細工に用いるときの称。ばす。
(2)馬の毛などを縦横に編んだもの。
(3)〔(1)を用いたところから〕
釣り糸。
- 【巣・栖・窼】
(1)鳥・獣・虫が卵を産み,あるいは子を育てる所。また,こもりすむ所。
「ツバメが―をかける」「―につく」
(2)人の住む所。すみか。
「愛の―」
(3)よからぬ者がたむろする所。
(4)クモが張った網。
――をく・う
(1)巣をつくる。巣くう。
「鶯の―・ひそむる梅の花/高光集」
(2)ある考えが心の中に根づく。巣くう。
- 【州・洲】
土砂が堆積して陸地のようになり,水面から出ている所。砂州(サス)。
- 【簀】
割り竹や葦(アシ)を糸で粗く編んだもの。
- 〔上代語。四段・サ行変格活用の動詞の未然形に付く〕
軽い尊敬の意を表す。また,親愛の情をこめて言い表す場合にも用いられる。
「この岡に菜摘ま〈す〉児家告(ノ)らせ名告ら〈さ〉ね/万葉 1」「草枕旅宿りせ〈す〉古思ひて/万葉 45」
〔(1)「思ふ」「聞く」「知る」などの語に付く場合には「思ほす」「聞こす」「知ろす」などとなる。(2)四段・サ変以外の動詞にも付くが,その場合,「着る(上一)→けす」「見る(上一)→めす」「寝(ヌ)(下二)→なす」などの形となる。(3)中古以降は,「あそばす」「おぼす」「きこしめす」など,一語の動詞の中にその跡をとどめている〕
- 〔近世江戸語〕
文末(まれに文中)にあって,軽い確認の気持ちを表す。
「かういい心持ちに酔つたところを湯へ入つて醒すは惜しいもんだ―/滑稽本・浮世風呂 4」「はて湯のふりで稽古に行つて―,銅壺の湯で手拭をしめして帰(ケエ)る人のやうにやあいくめえ―/滑稽本・素人狂言紋切形」
- あい・す [1] 【愛す】 ■一■ (動サ五) (サ変動詞「愛する」の五段化) 「愛する」に同じ。「いつまでも―・されたい」「自然を―・す心」 [可能] あいせる ■二■ (動サ変) あいする (口頭語では五段活用が優勢で,未然形は「愛さない」「愛される」のように「愛さ」が普通。終止形・連体形は五段の「愛す」,サ変の「愛する」の両方が用いられる。「愛すべし」の場合は文語のサ変「愛す」の
- あえ・す アヘス 【饗へす】 (動サ変) 「あう(饗)」に同じ。「群臣を聚(ツド)へて,大臣の家に―・す/日本書紀(舒明訓)」
- あか・す [2] 【飽かす】 ■一■ (動サ五 [四] ) (下一段動詞「飽かせる」の五段化) (1) 飽きさせる。「人を―・さない」 (2) 満足するまで十分使う。「金に―・して建てた家」「暇に―・す」 ■二■ (動サ下二) あかせる
- あき-す [0] 【空(き)巣】 (1) 鳥のいない,からっぽの巣。 (2) 留守の家。 (3) 「空き巣狙い」の略。
- あせ・す [1] 【汗す】 (動サ変) あせする
- あだ・す (動サ四) 荒らす。他の動詞の連用形の下に付いて,その動作をはげしくする意に用いる。「天雲をほろに踏み―・し鳴る神も/万葉 4235」
- あっ・す 【圧す】 (動サ変) あっする
- あび・す 【浴びす】 (動サ下二) あびせる
- あぶ・す 【溢す】 (動サ四) あます。すてる。「おとし―・さず取りしたため給ふ/源氏(玉鬘)」
- あま・す [2] 【余す】 (動サ五 [四] ) (1) 余るようにする。残す。「弁当を―・す」「一人も―・さず連れて行く」 (2) ある限度までに余地を残している。「締め切りまでに五日を―・すだけだ」 (3) のけ者にする。もてあます。受け身の形で用いる。「時を失ひ世に―・されて期する所なきものは/方丈記」 (4) 討ち残す。取り逃がす。「先にこそもらすとも,今度は―・すな,もらす
- あみ・す 【浴みす】 (動サ下二) あびせる。あむす。「新しき湯ぶね構へて,三位中将に―・せ奉らむとす/平家(一七・長門本)」
- あむ・す 【浴むす】 ■一■ (動サ四) 湯や水をあびせる。「さし鍋に湯わかせ…狐に―・さむ/万葉 3824」 ■二■ (動サ下二) {■一■}に同じ。「御湯などめして,姫君にも―・せ奉りて/寝覚 2」
- あや・す 【零す】 (動サ四) (1) 血や汗などをしたたらせる。こぼす。「血を―・して卒都婆によくぬりつけて/宇治拾遺 2」 (2) (果実などを)落とす。 [日葡]
- あら・す [0] 【荒らす】 (動サ五 [四] ) (1) 整然としていたものを混乱させたり破壊したりする。「犬が庭を―・して困る」 (2) 他人の領域を侵し乱す。「道場を―・す」「安売りで市場を―・す」 (3) ものが傷つき損なわれるようにする。だめにする。「伝来の美田を―・す」「タバコはのどを―・す」 (上代からの語。「荒れる」に対する他動詞) [可能] あらせる
- あわ・す アハス [2] 【淡す・醂す】 ■一■ (動サ五 [四] ) 渋柿の渋を抜く。さわす。 ■二■ (動サ下二) {■一■}に同じ。「さはしし柿の味よりも―・せざるにも味まさりけり/仮名草子・仁勢物語」
例文
- この鍵をマットの下で見つけたんですが。
- この道路は車は駐車禁止になっています。
- 彼女はしまいには入院するはめになった。
- 猫がいなくなるとネズミたちが遊びだす。
- このエレベーターで10階まで行けます。
- 本日は御搭乗頂きありがとうございます。
- 公益事業部門の急成長を見込んでいます。
- 留学するという私の決心に両親は驚いた。
- あの歌のゆっくりしたリズムが好きです。
- ここから駅までどのくらいかかりますか。