たむける 意味
- 【手向ける】
(1)神仏や死者の霊に供え物をささげる。古くは主に旅の平安を祈るものであった。
「墓に線香を―・ける」
(2)旅立つ人に餞別を贈る。
「ゆく年に涙の玉を―・けつるかな/新古今(雑上)」
(3)旅に出る人や別れて行く人に,はなむけをする。
「友人の壮途に―・ける言葉」
- かたむける 【傾ける】 〔「かたぶける」の転。「片向ける」の意〕 (1)斜めにする。かたむくようにする。 「盆を―・ける」「首を―・ける」 (2)考えや心をある方面に向ける。他のことは考えずに,ひたすら心をその事に向けて行う。心を注ぐ。 「精魂を―・ける」「愛情を―・ける」「耳を―・ける」 (3)衰えさせる。滅ぼす。 「国を―・ける」「身代を―・ける」 (4)〔「杯を傾ける」の意から〕
- 耳をかたむける きく
- たむけ 【手向け】 (1)神仏,あるいは死者の前に物を供えること。また,その物。特に,道祖神の場合についていうことが多い。 「―の花」 (2)別れを惜しんで人に贈るしるし。餞別。はなむけ。 「―の杯」「―の言葉」 (3)手向けの神のあるところ。特に,山道の登りつめた所である峠をいう。 「佐保過ぎて奈良の―に置く幣は/万葉 300」 (4)「手向けの神」の略。 「あふさか山にいたりて,―
- たむけうた 【手向け歌】 神仏への手向けとして詠んだ歌。
- たむけぐさ 【手向け草】 神仏への供物。 「白波の浜松が枝の―/万葉 34」
- たむけばな 【手向け花】 神仏や死者の霊などにささげる花。 「―とて咲きおくれし桜を一本持たせけるに/浮世草子・五人女 4」
- たむけみず 【手向け水】 神仏あるいは死者にささげる水。 「涙を子どもの―となし/浮世草子・武家義理物語 1」
- たむけやま 【手向け山】 手向けの神をまつってある山。一般的な呼び名から固有名詞になった所も多い。奈良山・逢坂山など。 「このたびはぬさもとりあへず―紅葉の錦神のまにまに/古今(羇旅)」
- たむけ-うた [3] 【手向け歌】 神仏への手向けとして詠んだ歌。
- たむけ-ぐさ 【手向け草】 神仏への供物。「白波の浜松が枝の―/万葉 34」
- たむけ-の-かみ [5] 【手向けの神】 峠や坂の上にいて,通過に際して旅人が旅の安全を祈願する神。「礪波(トナミ)山,―に幣奉(マツ)り/万葉 4008」
- たむけ-の-やま 【手向けの山】 「たむけやま」に同じ。
- たむけ-ばな [3] 【手向け花】 神仏や死者の霊などにささげる花。「―とて咲きおくれし桜を一本持たせけるに/浮世草子・五人女 4」
- たむけ-みず ―ミヅ [3] 【手向け水】 神仏あるいは死者にささげる水。「涙を子どもの―となし/浮世草子・武家義理物語 1」
- たむけ-やま [0] 【手向け山】 手向けの神をまつってある山。一般的な呼び名から固有名詞になった所も多い。奈良山・逢坂山など。「このたびはぬさもとりあへず―紅葉の錦神のまにまに/古今(羇旅)」
例文
- 私は助言に耳をかたむけるべきでした・・・ あなたが強く要求したように、私がチームを信用していれば。
- 神にたむける水を汲もうとするのだ。
- 聞き込みの際には情報提供者にマイク付きテープレコーダーのマイクをかたむける。
- イモの葉の露で墨をすると習字が上達するといい、7枚のカジ(梶)の葉に歌を書いてたむける。
- しかし、どんな嫌がらせにもめげず、ひたむきに演劇に情熱をかたむけるマヤの姿に速水は心打たれていく。
- 2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降、多くの人々がその追悼を行い死者に対して花束をたむける場ともなった。
- 今でも墓地の中には一段低い場所に流人墓地が存在するが、新島特有の白砂が敷き詰められていて、サイコロ型や酒樽型の墓石などもあり、村人が日々たむける花もあるため温かい雰囲気。
- スポーツを通じて子どもたちの健全な育成を支援することを目的に、サッカークラブチーム・サッカースクールの設立や、「子どもの声に耳をかたむける電話 チャイルドライン」の普及を目的とした小学生向けスポーツイベントの企画、主催・運営などを行っている。
- 黒地に白の水玉のストラップレス水着(あるいは、ビスチェのようにも見える)で日傘をかたむける青山の、文字どおりのバストショットは視覚的衝撃が大きく、当時の公称では身長164cm、スリーサイズはB87cm-W60cm-H85cmであったが、それが過少申告と思われたほどであった。