なる 意味
- 【慣る・馴る・狎る・熟る】
⇒なれる(慣・馴)
⇒なれる(狎)
⇒なれる(熟)
- 〔断定の助動詞「なり」の連体形〕
(1)…にある。
「内―世界」
(2)…という名の。
「顔回(ガンカイ)―者」
(3)…に当たる。…である。
「義兄―人物」
→なり(助動)
- 【成】
暦注の十二直の一。新たに事を始めることに吉,訴訟談判に凶という日。
- 【成る・為る】
❶物・ことが結果として実現・成立する。《成》
(1)完成する。実現する。
「七四九年,東大寺大仏―・る」「新装―・った県民ホール」「ローマは一日にして―・らず」
(2)(「だれだれの…になる」の形で)その人により作られる。
「名人の手に―・る逸品」「定家自身の筆に―・る小倉色紙」
(3)(「…からなる」「…よりなる」の形で)構成されている。形づくられている。
「水の分子は水素原子二個と酸素原子一個から―・る」「国会は衆議院と参議院とから―・る」
(4)願いごとが実現する。成就する。
「宿願―・る」「全勝優勝―・らず」
❷それまでとは違う物・違う状態に変わる。
(1)ある物がほかの物に変わる。
「おたまじゃくしが蛙に―・る」「火事で家が灰に―・ってしまう」「相手の身に―・って考える」
(2)人がある身分に変わる。ある役・職業につく。
「将来何に―・りたいか」「学芸会の劇で王子さまに―・る」「若くして三人の子の母と―・る」
(3)ある状態に至る。(ア)「…になる」「…となる」の形で名詞を受ける。
「病気に―・る」「クラスでトップに―・る」「原稿が没に―・る」「今夜は雪に―・りそうだ」(イ)形容詞・形容動詞などの連用形を受ける。「顔が赤く―・る」「生活が豊かに―・る」
(4)将棋で,王将・金将以外の駒が敵陣内へはいったりそこで動いたりして金将と同じ働きになる。飛車・角行は本来の働きを失わず,金将・銀将の働きをも得る。《成》
❸ある数値・時に達する。
(1)ある数値に達する。
「マイナスにマイナスを掛けるとプラスに―・る」「会員が三〇人以上に―・る」
(2)ある時刻・時期に達する。
「正午に―・る」「春に―・れば雪もとける」「世は明治と―・った」
❹ある機能をする。
(1)ある物の代わりにその働き・役目をする。
「この草は薬に―・る」「ソファーがベッド代わりに―・る」
(2)プラスまたはマイナスの効果・機能がある。
「ために―・る本」「名誉と―・る」「激励がかえって重荷に―・る」
❺(「…することになる」の形で)…することに決まる。
(1)成り行きとして,あることをするに至る。
「 A 氏を派遣することに―・る」「昔は長男が家を継ぐことに―・っていた」
(2)(条件句を受けて)ある条件のもとでは,あるいは,ある目的のためには,当然のこととしてある行為が行われることが決まっている。
「ホームでの見送りには入場券を買うことに―・っている」
❻(「…になる」の形で)他人から恩恵を受けることを表す。
「先輩の世話に―・る」「 A さんに御馳走に―・る」
❼多く否定の表現を伴って用いる。
(1)「…て(で)ならない」の形で,形容詞・形容動詞を受けて,非常に…だ,…て仕方がない,…てしようがないの意を表す。
「腰が痛くて―・らない」「この映画は退屈で―・らない」
(2)…することができる,…してさしつかえない,…することが許されるの意を表す。
「もう我慢が―・らない」「負けて―・るものか」
(3)「…してはならない」の形で動詞を受けて,禁止されている,してはいけないの意を表す。
「消火栓の前に駐車しては―・らない」「秘密を漏らしては―・らない」
(4)「…しなくてはならない」「…しなければならない」「…せねばならぬ」などの形で動詞を受けて,当然…するべきである,…する義務・必要があるの意を表す。
「法律は守らなくては―・らない」「すぐ出かけねば―・らない」
❽
(1)酒を飲むことができる。上戸である。
「重ね祝はれ,日比(ヒゴロ)―・る者はと云ふさへ/浮世草子・俗つれつれ 1」
(2)貴人の動作を敬っていう。(ア)貴人がお出かけになる,おいでになる。
「御所に―・りぬるとてあれば/中務内侍日記」(イ)貴人の動作を表す語に付けて,補助動詞的に用いる。…なさる。「かしこへ行幸―・つて紅葉を叡覧―・るに/平家 6」「白河院は北首に御寝―・りけり/徒然 133」
❾(補助動詞)
「お」を冠した動詞の連用形や「ご」を冠した動作性の漢語名詞に,「になる」の形で付いて,その動作主に対する尊敬の意を表す。
「手紙をお書きに―・る」「城跡を御見物に―・る」
〔「なす」に対する自動詞〕
‖可能‖ なれる
︱慣用︱ 気に―・首に―・様に―・力に―・手に―・馬鹿に―・身二つに―・物に―/あとは野となれ山となれ
- 【鳴る】
(1)音が出る。ひびく。
「発車のベルが―・る」「鐘が―・る」「伊香保嶺に神な―・りそね/万葉 3421」
(2)ある特徴によって,広く知られる。
「資産家で―・る家」「厳格をもって―・る教授」
︱慣用︱ 腕が―・喉(ノド)が―
- 〔動詞「なさる」が,「なはる」「なある」を経て,「なる」となったもの。近世江戸語。主として遊里で用いられたが,一般町人も用いた〕
(1)「なはる{(1)}」に同じ。
「どう―・いましたえ,斯う―・いましたよ/滑稽本・浮世風呂 2」
(2)(補助動詞)
「なはる{(2)}」に同じ。
「朝比奈さん,もうおかへり―・りますかえ/洒落本・仕懸文庫」「六さんも気道楽な生れだから,どこといふ事なく遊びに行き―・つたさうだが/洒落本・部屋三味線」
〔活用は「なら(なん)・なり(ない・なっ)・なる・なる・なれ・ない(なえ・ねえ)」〕
- 連なる・列なる つらなる ③ (1)一列にならんで続く。切れることなく続く。 「雁が―・る」「国境に―・る山々」 (2)会などに出席する。列席する。 「卒業式に―・る」「末席に―・る」 (3)団体などの一員として加わる。 「幹事に―・る」 (4)つながる。関係を持つ。 「忽に釈迦の遺弟に―・り/平家(灌頂)」 (5)連れ立つ。 「同じ郷の者三人と―・りて水銀を掘る所に行きぬ/今昔 17」
- ~となる ~になる
- ~になる ~となる
- …になる 大きくなる; 伸びる; …に変わる; 増大する
- あめ-なる 【天在る】 (枕詞) 天にある日の意から,「ひ」の音を含む「ひめ菅原」「一つ棚橋」にかかる。「―日売菅原(ヒメスガハラ)の草な刈りそね/万葉 1277」 (「あめにある」とも読まれる。また,「ひめ菅原」「一つ棚橋」を天上にあるものとして,枕詞とみない説もある)
- いか-なる [2] 【如何なる】 (連体) どのような。どんな。「―困難があろうとも」「―ときにも笑いを絶やさない」
- うなる 【唸る】 〔擬声語「う」に「鳴る」が付いてできた語〕 (1)獣が威嚇するような,低い声を発する。 「犬が―・る」 (2)人が苦しくて,言葉にならない低い声を出す。うめく。 「病人が―・る」「試験問題がむずかしくて―・る」 (3)立派さや豪華さに感嘆の声を発する。 「大向こうを―・らせる名演技」「あまりの豪華さに―・ってしまった」 (4)(浪曲などを)力を入れて語る。 「一節(
- がなる 〔擬声語「が」に「鳴る」が付いてできた語〕 大きな声で言う。どなる。 「大声で―・る」
- こなる 【熟る】 ⇒こなれる
- さら-なる [1] 【更なる】 (連体) (文語形容動詞「さら(更)なり」の連体形から) 今以上の。いっそうの。「―ご支援をお願いいたします」
- しなる 【撓る】 「しなう」の転。 「枝が―・る」
- せい-なる 【聖なる】 (連体) (文語形容動詞「聖(なり)」の連体形から) 神聖な。「―教え」
- せつ-なる 【切なる】 (文語形容動詞「切(セツ)(なり)」の連体形) せつ
- そなる 【磯馴る】 〔「いそなる」の「い」の脱落した形〕 海岸に生えている松などが,風や波に順応して地をはうような形になってしっかり根をはっている。 「荒磯の浪に―・れて這ふ松は/山家(雑)」
- たえ-なる タヘ― [0] 【妙なる】 (連体) (文語形容動詞「妙(タエ)なり」の連体形から) 言葉で表せないほどすばらしい。霊妙な。「―笛の音」
例文
- 猫がいなくなるとネズミたちが遊びだす。
- あなたは上手に踊れるようになるだろう。
- 川上に行くにしたがって流れは浅くなる。
- この薬を飲めば気分がよくなるでしょう。
- 当地に住み着いてから10年以上になる。
- 一人になるとその子はいたずらを始めた。
- 人は年をとるにつれて記憶力が悪くなる。
- このままだと日本は世界の笑い者になる。
- 夜になると彼女はお月様をながめました。
- こちらはあなたがお話しになるお方です。