他人 意味
- あだびと ◎
他の人。他人。あだしびと。
「―と縁組は…と詰(ナジラ)んとせしが/色懺悔(紅葉)」
- たにん ◎
(1)自分以外の人。ほかの人。他者。
(2)家族・親族以外の人。血のつながりのない人。
「赤の―」
(3)見ず知らずの人。親しくない人。
(4)その事と関係ない人。当事者でない人。
「―が口を出すことではない」
――の疝気(センキ)を頭痛に病む
直接自分に関係ないことによけいな気遣いをすることのたとえ。
――の空似(ソラニ)
血縁のない人なのに,容貌などが偶然よく似ていること。他人の猿似。
――の飯(メシ)は白い
他人の物はなんでもよく見えるということのたとえ。隣の芝生は青い。隣の花は赤い。
――の飯(メシ)を食・う
他家に奉公するなどして,多くの人にもまれて実社会の経験を積む。
――の別れ棒(ボウ)の端(ハシ)
夫婦の離別後は全く他人となってしまって,互いに棒切れのように顧みないこと。
――は食い寄り
⇒親(シン)は泣き寄り、他人は食い寄り(「親(シン)」の句項目)
- 他人の かかわりのない; 無関係な
- 他人丼 たにんどんぶり ④ 鶏肉以外の肉を用いて,親子丼のようにつくった丼物の称。豚肉・牛肉と卵では他人であるということから。
- 他人事 たにんごと ◎ ⇒ひとごと
- 他人宿 たにんやど 奉公人の身元を引き受け就職の世話をする宿。口入れ屋。 「―に雑用を払つて/滑稽本・浮世風呂 3」
- よその他人 赤の他人
- 人事・他人事 ひとごと ◎ 自分に関係ない事。他人に関する事。たにんごと。 「―とすましてはいられない」「まるで―のような顔をしている」 ――言えば影がさす 人のうわさをすると,ちょうどその場に当人が現れるものだ。うわさをすれば影がさす。 ――言わば筵(ムシロ)敷け 人のうわさをするとその当人がやってくることが多いから,うわさをするときはその人をすわらせる席を用意するつもりでせよということ。
- 他人のまね 人まね
- 他人の妻 妻
- 他人扱い たにんあつかい ④ 親密な人や親族の者を他人のようによそよそしく待遇すること。
- 他人行儀 たにんぎょうぎ ④ 親しい間柄であるのに疎遠な者どうしのようによそよそしく振る舞う・こと(さま)。 「―な挨拶」
- 他人資本 たにんしほん ④ 営業資本のうち,企業が返済する義務を負っている資本。借入金・支払手形・買掛金・社債など。 ⇔自己資本
- 赤の他人 よその他人
- 他人事ではない 人事ではない
- 他人の罪を負わされる人 スケープゴート
- 他事無し たじなし (1)他の事を顧みない。余念がない。 「ただ囲碁を打つほかは―・し/宇治拾遺 12」 (2)警戒やたくらみなどがない。うちとけている。 「其の駕籠是へと―・き風情/浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(中)」
- 他事無い 気安い; 人なつこい; 親しみ易い; 親しみやすい; 懇ろ; 人懐かしい; 親切げ; 他事ない; 睦じげ; 親しい; 和気藹藹たる; 人懐こい; 親しみ深い; 気易い; 親密; 和気藹々たる; 深切げ; 人懐っこい; 心切げ; 睦まじげ; 懇意; 気さく; フレンドリー; 親しみぶかい; 気安; ねんごろ; 睦まやか; 入魂; 心安い; 近しい; 友好的
例文
- 決して他人の不幸を利用してはいけない。
- 他人の物をもっていると結局窃盗になる。
- 彼は少しも他人の気持ちを大事にしない。
- 彼はいつも他人のあらばかり探している。
- 他人の足を引っ張るようなことはするな。
- 他人の足を引っ張るようなまねはやめろ。
- 彼は他人に親切にするように言いました。
- 彼は他人の感情など全くおかまいなしだ。
- 彼女はいつも他人のあら探しをしている。
- 他人には私の仕事はできないでしょうに。