ぶん 意味
- 【分】
※一※ (名)
(1)分け与えられたもの。わけまえ。わりあて。
「この菓子は弟の―に残しておく」
(2)人が置かれた立場や身分。また,人が備えている能力の程度。分際。
「―をわきまえる」「―に応じた仕事を選ぶ」「―に過ぎたお褒めを戴く」
(3)本分。つとめ。
「学生の―を尽くす」
(4)物事の様子・状態。また,程度。くらい。
「この―なら大丈夫だ」「軽い仕事をする―には差し支えない」
(5)当然そうであること。
「―の敵を討て,非分のものを討たず/読本・弓張月(後)」
(6)名詞の下に付いて用いる。(ア)一定の関係にあることを表す。
「兄弟―」「兄貴―」(イ)それに相当するもの,またはそれに当てられるものの意を表す。「五人―の料理」「来年度―の予算」
※二※ (名・形動)
一般と異なっていること。一般とちがってすぐれていること。また,そのさま。格別。特別。
「勘当が赦されたいと思召す男の心は―な物じや/浄瑠璃・ひらかな盛衰記」
- 【文】
(1)言語単位の一。思考や感情を言葉で表現する際の,完結した内容を表す最小の単位。多くは複数の文節によって構成されるが,「待て」「さようなら」のような一語文もある。文字で表す場合には,通常,文の切れ目に句点「。」を打つ。センテンス。文章。
(2)複数の文{(1)}から構成され,あるまとまった思想を表したもの。文章。
「―を練る」
(3)(武に対して)学問・文芸など。
「―を修める」
――は人なり
文章は書き手の人柄を表す。文章を見れば人となりがわかる。
――を属(シヨク)・す
〔漢書(賈誼伝)〕
文章をつづる。
- 〔「ぶち(打)」の転〕
動詞に付いて,その意味を強める。また,荒々しくその動作をする意を表す。
「―なぐる」「―投げる」「―回す」
- ぶん-ぶん [1] (副) 空気を切ってたてる音や昆虫の羽音を表す語。「バットを―(と)振り回す」「蜂が―(と)飛ぶ」
- かなぶん(ぶん) 《虫》a scarab.
- かな-ぶんぶん [1] [3] カナブンに同じ。
- ぶんごぶん 【文語文】 文語{(1)}で書かれた文。 ⇔口語文
- ぶんご-ぶん [3] 【文語文】 文語{ (1) }で書かれた文。 口語文
- ぶんぶん 【分分】 分に応じていること。身分相応であること。 「各々勢長じて―に威勢を施し/今昔 3」 ; 空気を切ってたてる音や昆虫の羽音を表す語。 「バットを―(と)振り回す」「蜂が―(と)飛ぶ」
- あく-ぶん [0] 【悪文】 難解な言葉を使ったり,文脈が乱れていたりして,理解しにくい文。へたな文章。
- あに-ぶん [2] 【兄分】 (1) 義兄弟などの約束により,かりに兄として敬う人。 弟分 (2) 男色関係で,年上の者。念者(ネンジヤ)。「若衆のたしなみ是第一,―に恥かかすな/浄瑠璃・万年草(上)」
- あね-ぶん [2] 【姉分】 かりに姉として敬う人。 妹分
- あん-ぶん [0] 【案文】 (文書の)案として書いた文章。
- いい-ぶん イヒ― [0] 【言(い)分】 (1) 言いたい事柄。主張。文句。「相手の―をよく聞く」「ずいぶん失礼な―だ」「何か―があるか」 (2) 口論。「―してぞ帰りける/浮世草子・胸算用 4」
- いく-ぶん [0] 【幾分】 ■一■ (名) 全体をいくつかに分けた一部分。「蔵書の―かを寄贈する」 ■二■ (副) ある程度。いくらか。少し。「―寒い」「―かよくなる」「―心もとない」
- いち-ぶん [0] 【一文】 (1) 一つの文章。 (2) ちょっとした文章。「―を草する」「―を寄せる」
- いつ-ぶん [0] 【逸聞】 世にあまり知られていない珍しい話。世間に伝わっていない話。
- いぶん 【異聞】 珍しい話。変わったうわさ。 「近世―」 ; 【移文】 ⇒移(イ) ; 【異文】 (1)普通とは異なった文面・文書。 (2)元来同一書物でありながら,伝写などの事情によって,差異の生じた章句。特に,流布本の章句と違っている章句。 ; 【遺文】 (1)故人が生前に書きのこした文章。 (2)過去の時代の文書で,現存するもの。 「平安―」
例文
- 歯垢がずいぶん付いていると思いますが。
- この前会ってからずいぶん経ちましたね。
- ぼくの自動車はずいぶんガソリンをくう。
- たぶん彼は決して有名にならないだろう。
- あなたはずいぶん英語が上達しましたね。
- その遠征ではずいぶんつらい目に会った。
- 私達はよい音楽をじゅうぶんに楽しんだ。
- 良ければ、私はチェスを遊ぶんで教える。
- 彼はたぶんこの話を知っているでしょう。
- 私たちはもうずいぶん長くここにいます。