あわせる 意味
- 【合(わ)せる・併せる】
□一□
(1)二つの物がすきまなくぴったりと接するようにする。《合》「割れた茶碗の割れ目に接着剤を塗って,ぴったりと―・せる」「手を―・せて拝む」
(2)いくつもの数・量を合算する。足し合わせる。《合・併》「二と三を―・せると五だ」「二人の所持金を―・せても一万円にしかならない」
(3)食品・薬品などについて,数種類のものをまぜる。混合する。調合する。
「赤味噌と白味噌を―・せる」「香を―・せる」
(4)抽象的なことに+もっと...ついて,二つのものが一致するようにする。
「口裏を―・せる」「話を―・せる」
(5)しかるべき規準・標準に一致させる。
「時計を正しい時刻に―・せる」「帳尻を―・せる」
(6)正しい規準と一致しているかどうか確かめる。
「現金を帳簿の残高と―・せる」
(7)他とリズム・テンポなどが一致するようにして,ある動作をする。
「力を―・せて車を押す」「声を―・せて助けを呼ぶ」
(8)二つのものが調和・適合するようにする。
「上着に―・せてネクタイを選ぶ」「カメラのピントを人物に―・せる」
(9)異なる種類の楽器をいっしょに鳴らす。合奏する。
「琴と笛を―・せる」
(10)(「刀を合わせる」などの形で)双方が刀を持って戦う。
「太刀を―・せる」
(11)(「…と顔を合わせる」の形で)偶然に…と会う。
「あそこでみんなに顔を―・せるとまずい」
(12)相撲などで,双方を戦わせる。
「―・せる行司は式守伊之助」「十両の力士を幕内と―・せる」
(13)見た夢の意味を考えて吉凶を占う。夢解きをする。
「さま異なる夢を見給ひて,―・する者召して問はせ給へば/源氏(若紫)」
(14)物合(モノアワセ)・歌合(ウタアワセ)などで,二つのものをくらべて優劣を競わせる。
「物語りのいでき始めの親なる竹取の翁に宇津保の俊蔭を―・せて争ふ/源氏(絵合)」
□二□動詞の連用形の下に付いて複合動詞をつくる。《合》
(1)物と物とを一つにする。
「二枚の布を縫い―・せる」「原料をまぜ―・せる」
(2)互いにある行為をする。
「誘い―・せて花見に行く」「駅で待ち―・せる」
(3)偶然にある同一の状態になる。
「事件の現場に居―・せる」「同じ電車に乗り―・せる」
︱慣用︱ 顔を―・口を―・口裏(クチウラ)を―・心を―・力を―・調子を―・帳尻を―・手を―・肌を―・額(ヒタイ)を―・歩調を―・間を―
合わせる顔がな・い
面目なくて,その人の前に出られない気持ちだ。
- 【会(わ)せる・逢わせる・遭(わ)せる】
〔「合わせる」と同源〕
(1)二人の人が会うようにする。《会・逢》「大臣に―・せてほしい」「離ればなれになっていた親子を―・せる」
(2)好ましくない出来事に遭遇するようにする。《遭》「ひどい目に―・せてやる」
(3)男女を結婚させる。夫婦にする。
「かしづき給ふ四の君に―・せ給へり/源氏(桐壺)」
例文
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- アメリカでは多くの夫婦が収支をあわせるため共稼ぎをしている。
- 彼らは、報道がアメリカのパキスタン人救済への貢献に焦点をあわせる助けとなった。
- 先ほど述べた証拠を つなぎあわせると
- どうして僕をこんな目にあわせるんだ?
- 「信念をすりあわせる事だけやって欲しい」
関連用語
いあわせる: 【居合(わ)せる】 ちょうどその場にいる。 「事故現場に―・せた人から事情を聞く」
きあわせる: 【来合(わ)せる】 たまたまそこへ来て出会う。都合よく,そこに来る。 「ちょうどそこへ兄が―・せた」
みあわせる: 【見合(わ)せる】 (1)互いに見あう。 「思わず顔を―・せる」 (2)くらべて見る。対照する。 「二つの案を―・せる」 (3)実行するのをやめて,しばらく様子をみる。 「旅行を―・せる」 (4)時期を見はからう。 「引込む時ぶんの間を―・せ/人情本・梅児誉美(初)」
めあわせる: 【妻合わせる】 妻として添わせる。嫁入りさせる。めあわす。 「娘を友人の息子に―・せる」
妻あわせる: 妻合わせる; 娶せる; 妻合せる
見あわせる: 留保する; 見合わせる; 見合せる; 一時停止する; 見合す; 差しひかえる; 差し控える; 差控える; 見あわす; ストップする; 措く; 見合わす; 休止する; 留め置く
ありあわせる: 【有り合(わ)せる・在り合(わ)せる】 (1)ちょうどその場にある。たまたまそこにある。 「―・せた材料で作ったもの」 (2)都合よくその場に居合わせる。 「折節御前に豊田隼人といふ大目付―・せ/浮世草子・武道伝来記 3」
いいあわせる: 【言い合(わ)せる】 (1)あらかじめ話し合って決めておく。申し合わせる。 「二人は―・せたように同じ本を買ってきた」 (2)互いに言う。語り合う。 「なほめでたきことどもなど―・せてゐたる/枕草子 49」 (3)相談する。 「はかなきあだ事をも,まことの大事をも,―・せたるに/源氏(帚木)」
いきあわせる: 【行き合(わ)せる】 「ゆきあわせる」に同じ。 「現場にたまたま―・せた」
うちあわせる: 【打ち合(わ)せる・打合せる】 (1)物と物とをぶつける。 「火打ち石を―・せる」 (2)前もって相談する。下相談する。 「旅行の日程を―・せる」 (3)合奏する。合唱する。 「物の上手とおぼしき限りとりどりに―・せたる拍子/源氏(椎本)」
うめあわせる: 【埋め合(わ)せる】 (1)損失などを,他の物事で補う。 「月ごとの赤字をボーナスで―・せる」 (2)欠けた部分を他のもので補う。 「打線の不振を投手力で―・せる」
かきあわせる: 【掻き合(わ)せる】 (1)物を手で寄せて,きちんと合わせる。 「襟元を―・せる」 (2)琴・琵琶などを合奏する。掻き手・合わせ手を各々連続して弾く。 「物の音ども―・せ/狭衣 3」 (3)琴・琵琶などで,弦の調子を整え試し弾きをする。 「箏の御琴ひき寄せて,―・せすさび給ひて/源氏(澪標)」
かけあわせる: 【掛け合(わ)せる】 (1)掛け算をする。 (2)動植物を交配する。
かみあわせる: 【噛み合(わ)せる】 (1)上歯と下歯とを合わせてかむ。 「奥歯を―・せる」 (2)歯形のものをぴったりと合うようにする。 「歯車を―・せる」 (3)獣などを争わせる。 「闘犬を―・せる」 (4)調和するように合わせる。 「 A 氏の文と B 氏の絵を―・せる」
ききあわせる: 【聞き合(わ)せる】 (1)何人かの人に問い合わせる。 「電話で―・せる」 (2)あれこれ聞いて,考え合わせる。 「今宵の御物語に―・すれば/源氏(明石)」