そむける 意味
- 【背ける】
〔「背(ソ)向ける」の意〕
(1)背を向ける。そらす。
「顔を―・ける」「あまりの惨状に思わず目を―・ける」
(2)(明かりなどを)反対のほう,うしろのほうに向ける。
「火ほのかに壁に―・け/源氏(帚木)」
(3)心を離す。離反する。
「督は,日にそへて人にも―・けられゆくに/増鏡(新島守)」「主人ニ心ヲ―・ケテイル/日葡」
〔「背く」に対する他動詞〕
- むける 【向ける】 (1)ある方向・対象に面するように,体や物の角度を変える。 「顔を―・ける」「床の間に背を―・けて座る」「銃口を―・ける」「機首を北へ―・ける」 (2)ある方向を目指す。 「ハワイに―・けて出航する」「古本屋街に足を―・ける」 (3)ある方面・事柄を行為の対象とする。 「国民の関心を外に―・ける」「住民に―・けて訴えかける」「大会に―・けて準備する」「非難を政府に―・け
- あおむける 【仰向ける】 上に向ける。顔や物の表面を上に向ける。あおのける。 ⇔うつむける 「顔を―・ける」
- うつむける 【俯ける】 (1)顔を下に向ける。うつぶける。 ⇔あおむける 「恥ずかしそうに顔を―・ける」 (2)ばかにする。うつむけにする。 「挑灯屋をうつむけにするのか,―・ければ珍重なれども/浄瑠璃・蛭小島武勇問答」
- うわむける 【上向ける】 (1)上の方に向ける。 (2)調子や状態をよい方に向かわせる。
- かたむける 【傾ける】 〔「かたぶける」の転。「片向ける」の意〕 (1)斜めにする。かたむくようにする。 「盆を―・ける」「首を―・ける」 (2)考えや心をある方面に向ける。他のことは考えずに,ひたすら心をその事に向けて行う。心を注ぐ。 「精魂を―・ける」「愛情を―・ける」「耳を―・ける」 (3)衰えさせる。滅ぼす。 「国を―・ける」「身代を―・ける」 (4)〔「杯を傾ける」の意から〕
- さしむける 【差(し)向ける】 (1)その方へ向ける。 「顔を正面に―・ける」 (2)人に命じて,ある所に行かせる。遣わす。 「迎えの車を―・ける」
- しむける 【仕向ける】 (1)ある動作・行動をするよう,働きかける。 「進んで本を読むように―・ける」 (2)人に対して,ある態度で接する。 「物質的に女房に―・ける事がこれ迄と変らぬにしても/雁(鴎外)」 (3)商品などを,先方に発送する。
- すりむける 【擦り剥ける】 他の物とこすれて,皮がむける。 「かかとが―・けた」
- たむける 【手向ける】 (1)神仏や死者の霊に供え物をささげる。古くは主に旅の平安を祈るものであった。 「墓に線香を―・ける」 (2)旅立つ人に餞別を贈る。 「ゆく年に涙の玉を―・けつるかな/新古今(雑上)」 (3)旅に出る人や別れて行く人に,はなむけをする。 「友人の壮途に―・ける言葉」
- ねじむける 【捩じ向ける】 ねじって,ある方向へ向かせる。 「ぐいと顔を―・ける」「腰を掛けたなり椅子を―・け/社会百面相(魯庵)」
- ふりむける 【振(り)向ける】 (1)動かして,ある方向に向かせる。 「頭を右に―・ける」 (2)別の目的・用途に変える。 「車を一台送迎用に―・ける」
- 渋皮がむける 渋皮が剥ける
- 耳をかたむける きく
- むけ 【向け】 〔動詞「向ける」の連用形から〕 (1)他の語の下に付けて,その方向に送ったりその方面を対象とする意を表す。 「南米―の輸出」「子供―の放送」 (2)従わせること。 「まつろへの―のまにまに/万葉 4094」 ; 【無卦】 陰陽道(オンヨウドウ)で,人の干支(エト)に合わせて定めた年回り。この卦に当たった人は五年間凶事が続くという。 →有卦(ウケ)
例文
- 皆が目をそむける 姿を見たいね
- A 鏡から目をそむける。
- 三点キープのまま、顔を横にそむけること。
- 現実逃避(げんじつとうひ)は、現実から目をそむける行為や心理状態を指す。
- それを見た悟飯は思わず目をそむけるが、ピッコロが「目をそむけるな、これが闘いなんだ」と注視させていた。
- それを見た悟飯は思わず目をそむけるが、ピッコロが「目をそむけるな、これが闘いなんだ」と注視させていた。
- また石原慎太郎が本書を「たいそう甘美な、そして危険な、しかし目をそむけることが出来ない書」と評している。
- 強烈な電波系であるがその性質は非常に理性的であり、常人が思わず目をそむけるような事物にも淡々と対処する。
- 言葉遣いはユーモラスであるが残虐非道極まりない男で、その所業は「悪魔でさえ顔をそむける」と評されるほど。