つめる 意味
- 【抓める】
「つねる」に同じ。
「乳母はよく自分を過ちも無いのに―・つた/一隅より(晶子)」
- 【詰める】
(1)容器に物を,すき間がないように入れる。いっぱいに入れる。
「おせちを重箱に―・める」「弁当を―・める」
(2)穴やすき間に物を入れてふさぐ。
「すき間に新聞紙を―・める」
(3)長さや間隔を縮める。(ア)短くする。
「寸法を―・める」「ズボンの丈(タケ)を―・める」(イ)間隔を縮める。「行間を―・める」「中ほどへお―・め下さい」(ウ)倹約する。切りつめる。「生活を―・める」「随分わしが身を―・め/浄瑠璃・夕霧阿波鳴渡(中)」
(4)通じないようにする。
「逸見の声である。僕は息を―・めてゐた/ヰタ・セクスアリス(鴎外)」
(5)(「根(コン)をつめる」の形で)ある物事を,長時間にわたって気力を集中して行う。
「根を」を略した形も用いる。「あまり根を―・めると体にさわる」「猛暑のさなかに―・めて仕事をしたのがいけなかった」
(6)究極まで進める。
「話を―・める」
(7)将棋で,敵の王将の逃げ場がないようにする。
「金銀三枚で―・める」
(8)決められた場所に出向いて,待機する。
「交番に―・めている」「交代で病院に―・める」
(9)動詞の連用形の下に付いて用いられる。(ア)絶え間なく…する。
「働き―・める」「毎日通い―・める」(イ)徹底して…する。全面的に…する。「思い―・める」「張り―・める」(ウ)…して相手を窮地に追い込む。「追い―・める」「問い―・める」
(10)相手に迫り近づく。追いつめる。
「やがて―・めて走りかかりければ/宇治拾遺 2」
〔「詰まる」に対する他動詞〕
- あつめる 【集める】 (1)人々に呼びかけて,ある場所に集まらせる。集合させる。 「役員全員を会議室に―・める」 (2)散らばっているものをあちこちから運んできたりして一か所に置く。まとめる。 「落ち葉を一か所に―・める」「資材を―・める」「各方面から寄付を―・める」「衆知を―・めて…する」 〔「集まる」に対する他動詞〕 ︱慣用︱ 頭(カシラ)を―・額を―
- いいつめる 【言(い)詰める】 (1)最後まで言う。 「『もしや本田に…』と言ひ懸けて敢て―・めず/浮雲(四迷)」 (2)言葉で相手をやりこめる。言いこめる。[日葡]
- おいつめる 【追(い)詰める】 逃げ場のないところへ追い込む。 「袋小路に―・める」「土壇場に―・められる」
- おしつめる 【押(し)詰める】 (1)無理に詰め込む。押し込む。 「重箱に―・める」 (2)逃げ場のない所まで追い込む。 「土壇場に―・める」 (3)つづめる。要約する。 「―・めて言えば」
- きりつめる 【切(り)詰める】 (1)一部分を切って短くする。 「袖を―・める」 (2)経費などを節約する。 「食費を―・める」
- くいつめる 【食(い)詰める】 (1)借金をためたり,不義理や不品行などのために,生活できなくなる。暮らしにゆきづまる。 「―・めて夜逃げをする」 (2)歯を食いしばる。 「いつとなく歯を―・めて,怒りておはしけるには/十訓 8」
- しきつめる 【敷(き)詰める】 (1)すき間のないように敷く。 「門から玄関まで御影石で―・めてある」「絨緞(ジユウタン)を―・める」 (2)敷いておさえつける。 「下なる敵の左右(ソウ)の手を膝にて―・め/保元(中・古活字本)」
- せりつめる 【迫り詰める】 つめよる。激しい態度で迫る。 「いかにと―・める鉄弥が佞弁(ネイベン)/高橋阿伝夜叉譚(魯文)」
- つきつめる 【突(き)詰める】 (1)物事を徹底的に考えたり調べたりする。 「―・めて考える」「とことんまで―・める」 (2)一つのことだけをいちずに思いこむ。思いつめる。 「―・めた表情」
- といつめる 【問(い)詰める】 真実を言うまで厳しく問いただす。詰問する。 「どこへ行っていたのかと―・める」
- とりつめる 【取(り)詰める】 (1)思い悩む。思いあまる。 「胸も張裂けるばかりに―・めて/多情多恨(紅葉)」 (2)のぼせあがる。逆上する。 「内へ帰つて今の咄するとそのまま―・めてこの通りに死んだのさ/歌舞伎・お染久松色読販」 (3)きびしく責める。 「冷泉院を―・めまゐらせたり/愚管 7」
- につめる 【煮詰める】 (1)長時間煮て水分を少なくする。 (2)十分に議論・相談などをして,結論に至る状態にする。 「交渉を―・める」
- はりつめる 【張(り)詰める】 (1)あたり一面残らず張る。 「池に氷が―・める」「床にタイルを―・める」 (2)気持ちを十分に引きしめる。また,緊張する。 「神経を―・める仕事」「―・めた雰囲気」
- ひきつめる 【引(き)詰める】 (1)たるみのないようにきつく引く。 「髪を後ろに―・めて束ねる」 (2)弓を絶え間なく引く。射続ける。 「さしつめ―・めさんざんに射る/平家 4」
- ひっつめる 【引っ詰める】 〔「ひきつめる」の転〕 髪を引っ詰めにする。 「―・めた銀杏(イチヨウ)返/湯島詣(鏡花)」
例文
- 人をじっと見つめるのは無礼である。
- 詩人はこの世を男が女を見つめるように見つめる。
- 詩人はこの世を男が女を見つめるように見つめる。
- すべての芸術作品の中で最高の作品の中にはあらゆる事が実現されており、私は何も与える事ができず、私の落ちつかない心は、ただ受動的に見つめる事に飽きて仕舞うのだった。
- 人間の隠れた深みを見つめることばかりに
- お前たち2人を 追いつめる準備ができた
- 俺をそんな風に見つめる のを止めないか
- はるか凌ぐ高みへと 私はのぼりつめる。
- 「見つめるためだけに 生まれてきた」。
- 娘が父親を見つめるそれではありません