こと-よ・る 意味
- 【事寄る】
(動ラ四)
事がその方に寄る。かたよる。「やむごとなく思したるは,限りありて,ひとかたなめれば,それに―・りて/源氏(若菜上)」
関連用語
よ・る: 【揺る】 (動ラ四) ゆれる。「地震(ナイ)が―・り来ば破れむ柴垣/日本書紀(武烈)」
こと-よ・し: 【言好し】 (形ク) 言葉が巧みだ。口がうまい。「かかる方に―・きも,心づきなくおぼえ給へど/源氏(宿木)」
こと-よ・せる: [0] [4] 【言寄せる・事寄せる】 (動サ下一) [文] サ下二ことよ・す (1) 口実にする。かこつける。「仕事に―・せて外出する」 (2) ことづけをする。伝言する。「忍びあまり天の川瀬に―・せむせめては秋を忘れだにすな/新古今(恋二)」 (3) 言葉によって助力する。「天地(アメツチ)の神―・せて/万葉 546」 (4) うわさを立てる。「君が手取らば―・せむか
よ-ことば: [2] 【夜言葉】 忌み詞の一。かつて夜間を忌み慎むべき時間と考えて口にするのを避けた語,またその言い替え語。塩を「浪(ナミ)の花」,糊を「おひめさま」などという類。
あゆみ-よ・る: [0] [4] 【歩み寄る】 (動ラ五 [四] ) (1) 歩いて近づく。「一,二歩―・る」 (2) 互いに譲り合って,双方の主張や条件を一致する方向に近づける。「労使が―・る」 [可能] あゆみよれる
いい-よ・る: イヒ― [3] 【言(い)寄る】 (動ラ五 [四] ) (1) 親しくなろうとして,異性に近づく。くどく。「―・ってふられた」 (2) 話しかけながら近寄る。「ここなる物とり侍らむなど―・りて/枕草子 3」 (3) 頼りにする。頼み込む。「―・るべき頼もしき人も思えず/源氏(玉鬘)」 [可能] いいよれる
おう-よ・る: アウ― 【奥寄る】 (動ラ四) (1) 奥の方へ寄る。「―・りて三,四人さしつどひて/枕草子 184」 (2) 老齢になる。ふける。「よはひなども―・りたべければ/蜻蛉(下)」 (3) 古風である。「御手のすぢ,殊に―・りにたり/源氏(玉鬘)」
おぼし-よ・る: 【思し寄る】 (動ラ四) 「おもいよる」の尊敬語。思いつかれる。「宮も…(紫上ノ)むこになどは―・らで/源氏(紅葉賀)」
おもい-よ・る: オモヒ― [4] [0] 【思い寄る】 (動ラ五 [四] ) (1) 考えつく。考え及ぶ。思い当たる。「―・らない事態」 (2) 心がひかれる。「―・る人は,いざなはれつつ/源氏(匂宮)」
お-よ・る: 【御寝る】 (動ラ四) 「寝る」の尊敬語。おやすみになる。「晦日の夜から昨夜迄案じて一目も―・らず/浄瑠璃・生玉心中(中)」
かけ-よ・る: [0] [3] 【駆(け)寄る】 (動ラ五 [四] ) 走ってそばへ寄る。走り寄る。「母のそばへ―・る」 [可能] かけよれる
かこち-よ・る: 【託ち寄る】 (動ラ四) かこつけて言い寄る。「言ひよるたよりも,…この君をぞ,―・りけれど/源氏(蛍)」
かた-よ・る: [3] 【偏る・片寄る】 (動ラ五 [四] ) (1) 中心や標準からはずれて一方に寄る。「進路が東に―・る」「―・った考え方」「栄養が―・る」 (2) ある部分にだけ集まって,全体の釣り合いを欠く。「人口が都市に―・る」 (3) 一方に味方をする。不公平な扱いをする。「―・った判定」 (4) あるものの方に近づき寄る。「浦野の山に月(ツク)―・るも/万葉 3565」
さし-よ・る: 【差し寄る】 (動ラ四) そばへ寄る。近寄る。「乳母に―・りて,いざかし,ねぶたきにとのたまへば/源氏(若紫)」
しのび-よ・る: [4] [0] 【忍び寄る】 (動ラ五 [四] ) 相手に気付かれぬように近寄る。「敵の陣地に―・る」「悪の手が―・る」「―・る秋の気配」