入道親王 意味
- にゅうどうしんのう ⑦
親王宣下を受けて,のちに出家した皇族。
- 入道 にゅうどう ① (1)仏道にはいって修行すること。また,出家・剃髪(テイハツ)して仏道にはいった人。 (2)皇族や三位以上の貴族で仏門にはいった者の称。のちには武士を含め僧体でありながら,在俗の者をもいった。 (3)坊主頭の人。 (4)坊主頭の化け物。
- 親王 しんのう ③ 〔「しんおう」の連声〕 皇族男子の身位の一。律令制では,天皇の兄弟・皇子をいったが,淳仁天皇(在位 758-764)以後は親王宣下のあったもののみに限られた。旧皇室典範では,皇子から皇玄孫にわたる皇族男子をいった。現制度では,嫡出の皇男子および嫡男系嫡出の皇孫の男子をいう。 ⇔内親王
- 我入道・和入道 わにゅうどう 二人称。出家した者に対して親しみの気持ちをこめて,また,軽んじ卑しめて呼ぶ語。 「かく宣ふ―は,いかに王孫とこそ名乗り給へども/盛衰記 5」
- 入道虫 にゅうどうむし ③ (1)ニシドチの異名。 (2)地虫の異名。
- 入道雲 にゅうどうぐも ⑤③ 高く盛り上がって,大入道のように見える積乱雲の俗称。﹝季﹞夏。
- 大入道 おおにゅうどう ③ (1)からだの大きな,坊主頭の化け物。 (2)坊主頭の大男。また,その人をあざけっていう語。
- 尼入道 あまにゅうどう 在家のまま髪を剃(ソ)り仏門に入った女性。尼女房。
- 蛸入道 たこにゅうどう ③ (1)〔タコの外見を入道,すなわち僧の頭に見立てた語〕 タコの異名。たこぼうず。 (2)坊主頭の者をあざけっていう語。たこぼうず。
- 内親王 ないしんのう ⑤ (1)律令制で,天皇の姉妹・皇女。うちのみこ。うちのひめみこ。 (2)皇室典範では,嫡出の皇女および嫡男系嫡出の皇孫である女子。 ⇔親王
- 法親王 ほうしんのう 出家後,親王の宣下を受けた皇子の称。1099年白河天皇の皇子覚行阿闍梨に親王宣下があったのに始まる。ほっしんのう。 ; ほっしんのう ③⑤ ⇒ほうしんのう(法親王)
- 親王妃 王子妃; 皇太子妃
- 親王家 しんのうけ ◎③ 〔古く「しんのうげ」か〕 中世以後,親王の称号を許された皇族の家筋。江戸時代には,伏見宮・桂宮・有栖川宮(アリスガワノミヤ)・閑院宮の四家があった。
- 入道の宮 にゅうどうのみや 仏門に帰依した皇族。入道した親王・内親王・女院。
- 入道の帝 にゅうどうのみかど 天皇で,出家入道した人。
- 入道后の宮 にゅうどうきさいのみや 皇后・中宮などで,出家して尼となった人。
例文
- 後鳥羽天皇の皇子→道助入道親王を参照。
- 同母兄弟に敦明親王、性信入道親王など。
- 勧修寺に入寺得度し寛宝入道親王を名乗る。
- 入道親王、法師親王、禅師親王ともいった。
- 以後「常盤井入道親王」と呼ばれる。
- 同月聖護院に入り、落飾し信仁入道親王を称する。
- 知恩院に入寺して落飾し、尊秀入道親王と称した。
- 後鳥羽天皇の皇子で後の天台座主・道覚入道親王。
- 出家し信仁入道親王と称した。
- 上野の輪王寺に入寺得度し、公現入道親王と名乗る。