准える 意味
- 準える・准える・擬える なずらえる ④ (1)「なぞらえる{(1)}」に同じ。 「女性の美しさを花に―・える」 (2)「なぞらえる{(2)}」に同じ。 「右の例に―・へて白馬引き/源氏(少女)」 ; なぞらえる ④ (1)同類・同格とみなす。たとえる。 「人生を旅に―・える」 (2)他のものに似せる。 「富士山に―・えた築山」 (3)比べる。 「昔に―・へて知りぬべし/方丈記」
- える 【撚る】 「撚(ヨ)る」の転。 「苧縄(オナワ)七筋―・り合はせ/浄瑠璃・吉野忠信」 ; 【彫る・鐫る】 (1)彫刻する。ほる。きざむ。 「大理石もて―・り成せる大いなる馬/即興詩人(鴎外)」「白きには梅を―・りて/源氏(梅枝)」 (2)かたいものをくりぬく。えぐる。 「具(ツブサ)に此の事を記して,石(イワ)を―・りて納めてけり/今昔 7」 ; 【選る】 いくつかの
- かえる-がえる カヘルガヘル 【返る返る】 (副) 「かえすがえす」に同じ。「―ひまなううらみつくさせ給ふ御文も/寝覚 3」
- 備える・具える そなえる ③ (1)将来おこると予想されることにうまく対処できるよう,前もって準備する。 「台風に―・えて懐中電灯を買う」「商品を豊富に用意して新装開店に―・える」「朝庭を動かし傾けむとして兵を―・ふる時に/続紀(天平神護一宣命)」 (2)設備・備品として,物を置く。 「火災報知機を―・えた部屋」 (3)生まれつき身につけて持つ。自然に持っている。 「これだけの条件を―・えた物件は
- 冴える・冱える さえる ② 〔「さやか」の「さや」と同源〕 (1)月や星が寒い夜空にくっきりと見える。 「―・えた月の光」 (2)楽器の澄んだ音色がはっきり聞こえる。 「笛の―・えた音色」 (3)色がくっきり鮮やかに感じられる。また,顔色や表情が生き生きとする。 「―・えた青」「近頃顔色が―・えない」 (4)意識がはっきりする。(ア)頭脳のはたらきが明晰(メイセキ)である。 「朝のうちは頭が
- 叶える・適える かなえる ③ (1)他人の望みを実現させる。《叶》「望みを―・えてあげる」 (2)基準・条件をみたす。《適》「条件を―・える」 〔「かなう」に対する他動詞〕
- 吠える・吼える ほえる ② (1)犬やけものが威嚇(イカク)などのために大声で鳴く。 「犬が―・える」 (2)どなる。わめく。 「そう―・えるな」 (3)人が泣く。 「おのれは―・ゆるか卑怯なやつぢや/狂言・二千石」
- 和える・韲える あえる ② (1)野菜・魚介などを,酢・味噌・胡麻(ゴマ)などとまぜる。 「酢みそで―・える」 (2)まぜっかえす。ごちゃごちゃにする。 「長五郎さんの力持で,大事の帳合を―・へられた/歌舞伎・隅田春」
- 堪える・怺える こらえる ③ (1)苦しみ・痛みなどをがまんする。耐える。 「傷の痛さを―・える」 (2)悲しみ・苦しみ・怒りなどの感情や欲求が表面に出ようとするのをおさえる。 「怒りを―・えて静かに語る」「涙を―・える」「笑いを―・えるのに苦労する」 (3)外から加えられる力に負けないように保つ。もちこたえる。 「土俵際で―・える」「鎧は―・へたりけるか/保元(中)」 (4)処罰したり,しかっ
- 堪える・耐える たえる ② (1)苦しさ・悲しさなどに屈せず我慢する。こらえる。 「苦痛に―・える」「孤独に―・える」 (2)他から加えられる力に負けずにもちこたえる。 「風雪に―・える」「命さへ―・へ給はずなりにし後/源氏(夕顔)」 (3)負担や任務に対応できる。《堪》「屋外で使用に―・える」「その任に―・えない」 (4)それをするだけの値打ちがある。…に値する。《堪》「批評に―・える論文」
- 増える・殖える ふえる ② 数や量が多くなる。 ⇔減る 「人が―・える」「金が―・える」「水量が―・える」「水ニヌレテ―・エタ/ヘボン(三版)」 〔「殖える」は財産や動植物に関して使うことが多い〕
- 寄える・比える よそえる ◎③ 〔「寄す」に継続の助動詞「ふ」の付いた「よさふ」の転〕 (1)他の物にたとえる。なぞらえる。 「川の流れを人生に―・えて歌をよむ」 (2)ことよせる。かこつける。 「仕事に―・えて外出する」 (3)関係があるとする。 「よしゑやし―・ふる君が憎からなくに/万葉 2659」
- 従える・随える したがえる ◎④ (1)連れて行く。率いる。 「五人の供を―・える」 (2)自分の支配下に組み入れる。服従させる。征服する。 「熊襲(クマソ)を―・える」
- 応える・報える こた・える コタヘル [3] [2] 【応える・報える】 (動ア下一) [文] ハ下二 こた・ふ(「答ふ」と同源) (1) 相手の行動や状況を受け,十分見合うような行動をとる。応じる。「期待に―・える」「市民の歓呼に―・えて手を振る」「時代の要請に―・える」 (2) 刺激や衝撃などを受け,それを痛手として強く感じる。「寒さが骨身に―・える」「いくつになっても親父の小言は―・
- 怯える・脅える おびえる ◎③ 怖がってびくびくする。また,恐ろしくて声をたてる。 「―・えたような目つき」「物におそはるる心地して,や,と―・ゆれど/源氏(帚木)」