靡ける 意味
読み方:
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- なびける
(1)なびくようにさせる。なびかせる。
「ぬばたまの我が黒髪を―・けて居らむ/万葉 2532」
(2)従わせる。服従させる。
「和泉・河内の両国を―・けて/太平記 6」
- ける 【蹴る】 〔中古以降の語〕 「ける(蹴)」(動ラ五[四])に同じ。 「只今の太政大臣の尻は〈ける〉とも,此の殿の牛飼にも触れてむや/落窪 2」「雲林院にて鞠を〈け〉られけるに/著聞 6」「まりこ川〈けれ〉ばぞ浪はあがりけり/去来抄」 〔「蹴る」の意の語には,古く「くう(ワ行下二段)」「くゑる(ワ行下一段)」「くゆ(ヤ行下二段)」「こゆ(ヤ行下二段)」などが見られる〕 ; 【蹴る】
- 分ける・別ける わける ② (1)全体を,いくつかのより小さなまとまりにする。分割する。 「五回に―・けて支払う」「二組に―・けて試合をする」 (2)区別して,別々のまとまりにする。分類する。 「夏物と冬物に―・ける」「学年別に―・ける」 (3)境界を設けて区切る。 「髪を七三に―・ける」 (4)障害物などを押し開いて進む。 「波を―・けて進む」「さ雄鹿の露―・け鳴かむ/万葉 4297」 (
- 助ける・扶ける たすける ③ 〔「助(ス)く」に手の意の接頭語「た」が付いて一語化したもの〕 (1)力を添えて人や動物を,死の危険や苦痛・災難から逃れさせる。 「池に落ちた子供を―・ける」「災害に遭った人々を―・けよう」 (2)(「援ける」「輔ける」「左ける」などとも書く)他人を補佐して,事がうまく運ぶようにする。助力する。手伝う。 「主君を―・けてお家を再興する」「新聞配達をして家計を―・ける」
- 怠ける・懶ける なまける ③ (1)すべきことをしないで無駄にすごす。 「仕事を―・ける」「学校を―・ける」 (2)だらけている。なまぬるくなる。また,なまる。 「おれも上州の新田で育つた故,京の詞は―・けて悪い/浄瑠璃・神霊矢口渡」 (3)元気がなくなる。 「とんだ顔つきが―・けて来た/滑稽本・続膝栗毛」
- 恍ける・惚ける とぼける ③ (1)知っていながら,知らない,というふりをする。しらばくれる。 「―・けたってだめだ。お前がやったんだろう」 (2)間の抜けた言動をする。 「―・けたことを言う」「―・けた表情」 (3)頭の働きがにぶくなる。ぼける。 「―・ケテ我ガ子ノ顔モ知ラヌ/ヘボン」
- 惚ける・耄ける ほうける ③ (1)知覚がにぶってぼんやりする。ぼける。 「遊びに―・けて/たけくらべ(一葉)」「病み―・ける」 (2)動詞の連用形の下に付いて,夢中になって…する,とことんまで…するの意を表す。 「遊び―・ける」「高名の古ばくちにて,うち―・けてすべてまけ/著聞 12」 (3)草や毛髪などがほつれ乱れる。そそける。ほおける。 「蕗の薹背戸の垣根に―・け/いさなとり(露伴)」 〔
- 掛ける・懸ける かける ② ❶物をほかの物に取り付ける。 (1)物を壁や構造物の高い所に運んで行って上部を固定する。上方に掲げる。他の物にぶらさげる。 「壁に絵を―・ける」「戸口に表札を―・ける」「窓にカーテンを―・ける」「帆を―・けた船」 (2)〔自在鉤にかけて火の上に置いたことから〕 鍋などを火の上にのせる。 「鍋を火に―・ける」 (3)〔竿秤(サオバカリ)の鉤にかけて重さを測ったことから〕
- 散ける・粗ける あらける ③ (1)離れ離れになる。散り散りになる。 「あやしき少女の去りてより,程なく人々―・けぬ/うたかたの記(鴎外)」「是に―・けたる卒(イクサ)更に聚る/日本書紀(舒明訓)」 (2)道や場所をあける。また,間をあける。[日葡] (3)火や灰などをかきひろげる。 「馳走ぶりに火を―・ける/多情多恨(紅葉)」
- 更ける・深ける ふける ② 〔「深し」と同源〕 (1)時間が経過して,真夜中に近くなる。夜が深まる。 「夜が―・ける」 (2)その季節になってから,かなり時間が経過する。季節がたけなわになる。季節が深まる。たける。 「秋―・くる浅茅が庭のきりぎりす/玉葉(秋下)」 (3)鳥獣が発情する。
- 欠ける・闕ける かける ◎ (1)完全なものの一部がこわれる。また,そうして不完全になる。 「急須(キユウス)の口が―・けた」「刃の―・けたナイフ」 (2)そろっているべき物の一部がなくなる。欠落する。 「全集の第一巻が―・けている」「其人にあらずは則―・けよ/平家 1」 (3)あるべき要素が不足する。また,存在しない。(ア)(「…が欠ける」の形で)ある種の要素がない。欠如する。 「経営能力が―・
- 漬ける・浸ける つける ◎ (1)物を液体の中にいれる。ひたす。 「水に洗濯物を―・けておく」 (2)野菜や魚・肉などを糠味噌(ヌカミソ)・麹(コウジ)・塩などの中に入れて漬物にする。《漬》「ナスをぬかみそに―・ける」
- 生ける・活ける いける ② (1)切り花や葉・枝を,水を入れた器に形よく入れる。 「花を―・ける」 (2)死なせないで,生き続けるようにする。また,死んだものを生き返らせる。いかす。 「水を運びて魚を―・けむ/三宝絵詞(上)」「この(死ンダ)馬―・けて給はらん,と念じいりたるほどに/古本説話 58」 (3)魚を生け簀(ス)などに入れて飼う。 「サカナヲ―・ケル/ヘボン(三版)」 →生きる
- 砕ける・摧ける くだける ③ (1)固まっていたものが,打撃力や圧力を加えられて細かい破片になる。こなごなになる。 「ガラスがこなごなに―・けた」「波頭(ナミガシラ)が―・ける」 (2)力を失ってくずれる。また,初めの勢いや熱意がくじける。 「喧嘩腰(ケンカゴシ)も―・けて了へば/社会百面相(魯庵)」 (3)堅苦しさがなくなり,親しみやすい様子になる。また,やや俗っぽくなる。 「―・けた言い方をす
- 空ける・虚ける うつける ③ (1)魂が抜けたようになる。ぼんやりする。 「―・けたように立ち尽くしていた」 (2)中がからになる。 「たとへば鹿の角の如くして―・けたる国なり/日本書紀(神功訓)」