面 意味
- おも ①
(1)表面。うわべ。
「池の―」
(2)顔。顔つき。
「―知る児らが見えぬころかも/万葉 3068」
(3)面影。様子。
「寝もとか子ろが―に見えつる/万葉 3473」
〔現代では「おもやせ」「おもやつれ」「おもなが」などの形で用いられる〕
- おもて ③
(1)かお。顔面。
「―を伏せる」
(2)ものの表面。
「湖の―」
(3)能などの面。仮面。
(4)面目。体面。
「いづくを―にてか,又も見え奉らむ/源氏(賢木)」
――置かむ方無・し
恥ずかしくて顔向けができない。
「なかなかに―・く術なくおぼえし/大鏡(道隆)」
――も振らず
わきめもふらず。まっしぐらに。
「―,命もおしまず,ここを最後とせめたたかふ/平家 8」
――を冒(オカ)・す
相手の意に逆らうのもはばからずに忠告する。
「―・して諫言(カンゲン)する」
――を起こ・す
名誉となる。面目を施す。
⇔面を伏す
「日本のおもておこしたる者なり/宇治拾遺 12」
――を曝(サラ)・す
(1)人々の前に顔を現す。
(2)恥をさらす。
「かやうに―・す事,前世(ゼンゼ)の報といひながら/謡曲・千手」
――を伏・す
名誉を失う。面目をつぶす。
⇔面を起こす
「亡き親の―・せ,影を辱むるたぐひ多く聞ゆる/源氏(若菜上)」
――を向か・う
(1)人に顔を合わせる。
「弓切折り自害して,人に二度―・ふべからず/平家 11」
(2)正面から対抗する。敵対する。
「十万余騎にて都を立ちしことがらは,何―・ふべしとも見えざりしに/平家 7」
- めん
※一※ (名)
(1) ◎
顔。つら。また,顔立ち。
「あの娘は―はいい様だが/草枕(漱石)」
(2) ◎
顔につけるもの。(ア)人・動物などに模したもの。仮面。(イ)顔につける防具。剣道の面頬(メンポオ),野球の捕手のかぶるもの,防毒マスクなど。(ウ)剣道で,決まり手の一。面を打つこと。
(3) ◎
顔を合わせること。向き合うこと。
「―ニ申サウズ/日葡」
→面と向かって
(4) ①
外から見える,物の外側の(平らな)部分。
「白い―を上にして重ねる」
(5) ①
数学で,平面と曲面との総称。立体とその周囲の空間との境。
(6) ①
事柄のそれぞれの領域。
「資金の―では困らない」
(7) ①
ある方面。ある部面。
「財政の―で援助する」「技能の―で劣っている」
(8) ◎
材の角(カド)を削り取ったときにできる部分。柱や建具の桟(サン)などに用いる。切り面・唐戸面・几帳面(キチヨウメン)など。
※二※ (接尾)
助数詞。平たい物を数えるのに用いる。
「鏡一―」「テニス-コート二―」
――が割・れる
顔が知られる。また,面通しの結果,その人であると特定できる。
――と向かって
相手と正面から顔を合わせて。相手と直接顔を合わせて。
「―非難された」
――を打・つ
仮面,特に能面をつくる。
――を被(カブ)・る
(1)仮面で顔をおおう。
(2)悪い事をしながら,平気な顔でいる。本性を隠して,善人ぶる。
――を取・る
(1)剣道で,相手の面に有効な一撃を加える。
(2)材料の,かどを削り取って丸みをつける。
- も ①
〔「おも」の「お」が脱落した形〕
おもて。表面。あたり。方向。
「阿倍の田の―に居る鶴(タズ)の/万葉 3523」
- 面― めん-ファスナー [3] 【面―】 鉤状の突起が一面についた布と,パイル状の面で一組みとなった留め具。
- 和達―面 わだち-ベニオフ-めん [7] 【和達―面】 海溝側から大陸側に向かって深くなる深発地震面。和達清夫とベニオフ(H. Benioff 1899-1968)が発見。
- 面・頬 つら ② (1)顔。おもて。 「顔」よりもぞんざいな言い方。「そんなことをいうやつの―が見たい」「おめおめとどの―下げて」「泣きっ―」「ふくれ―」 (2)物の表面。 「上(ウワ)っ―」 (3)(「づら」の形で)名詞の下に付いて複合語として用いられ,そういう顔をしている,そういう様子である意を表す。相手をののしる気持ちを込めていう語。 「馬―」「紳士―」 (4)ほとり。あたり。かた
- 切(り)面 きり-めん [0] 【切(り)面】 面の一。材木の角を四五度に削りとって面としたもの。
- 切{(}り{)}面 きりめん ◎ 面の一。材木の角を四五度に削りとって面としたもの。
- 切{(り)}面 きりめん ◎ 面の一。材木の角を四五度に削りとって面としたもの。
- 靡然 びぜん ◎ なびき従うさま。特に,多くの者が同じ傾向をもったり,同じ行動をとったりするさま。 「当時の医流にして苟(イヤシク)も気概ある者は,―として実学の風に帰せざるはなく/福翁百余話(諭吉)」
- 靡ぶ なぶ なびかせる。 「婦負(メヒ)の野のすすき押し―・べ降る雪に/万葉 4016」 →おしなぶ
- 靡ける なびける (1)なびくようにさせる。なびかせる。 「ぬばたまの我が黒髪を―・けて居らむ/万葉 2532」 (2)従わせる。服従させる。 「和泉・河内の両国を―・けて/太平記 6」
- 面々 面面
- 靡く なびく ② ※一※ (動カ五[四]) (1)草や布などの先端が風や水の流れに従って横に傾き伏す。 「旗が風に―・く」「煙が―・く」「妹が門見む―・けこの山/万葉 131」 (2)相手の威力に引き寄せられて,従う。また,女性が男性に言い寄られて受け入れる。 「主流派に―・く」「お嬢さんはどつちへ―・いたかい/草枕(漱石)」 ※二※ (動カ下二) ⇒なびける
- 面かじ 面舵; 右舷
- 靡き藻 なびきも 流れや波になびいている藻。
- 面がまえ 見せかけ; つら構; 見付; 面構え; 相形; 見附; 外見; 観; 目見; 見付き; 面もち; 目顔; 顔付; 顔色; 表情; つら構え; 風骨; 見せ掛け; 形相; 形状; 装い; 顔つき; 見附き; 目色; 顔; 様相; 風采; 相貌; 血相; 見た目; 顔ばせ; 面持; 姿; 装; 恰好; 身なり; 面体; 面様; 格好; 顔付き; 粧い; 風体; 面構
例文
- 私の留守中赤ちゃんの面倒を見て下さい。
- 番組のどれも私には面白そうに見えない。
- まさに天罰覿面だとうちの母さんが言う。
- 地震では地面は上下、そして横に揺れる。
- ディズニーランドはとても面白かったよ。
- ご面倒をお掛けして申し訳ございません。
- それはわずかに当時の面影を残している。
- 彼女は生真面目な顔で冗談を言いました。
- 英語は簡単ではない、でもそれは面白い。
- 面接では、虚心坦懐に話すことが必要だ。