筒井筒 意味
- つついづつ ③
(1)筒井につけられたわく。
(2)〔「伊勢物語」二三段の「つつゐつの井筒にかけしまろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに」から〕
幼なじみの男女。また,その仲。
「―の仲」
(3)重文の井戸茶碗。豊臣秀吉所持。近習が取り落とし,五つに割れたことから,細川三斎が銘をつけた。
- 筒井 つつい ◎ 筒状にまるく掘った井戸。 ; つつい 姓氏の一。
- 井筒 いづつ ① (1)井戸の地上の部分を木・石などで囲んだもの。井戸側。 (2)家紋の一。{(1)}を図案化したもの。本来は正方形のものをいう。平井筒・唐井筒・重井筒,丸に角立井筒など種々ある。 →井桁(イゲタ) ; いづつ 能の一。三番目物。世阿弥作。紀有常(キノアリツネ)の娘と在原業平の恋物語を脚色したもの。「伊勢物語」による。
- 重井筒 かさねいづつ ④ 井筒紋の一。井筒を二つ組み合わせたもの。
- 筒井順慶 つついじゅんけい (1549-1584) 戦国大名。大和筒井城主。松永久秀を討って大和一国を支配。以後,織田信長に属す。本能寺の変では明智光秀に誘われたが居城を動かず,山崎の戦いののち,羽柴秀吉に参じた。そのため洞ヶ峠(ホラガトウゲ)に軍をとどめて形勢をうかがって日和見(ヒヨリミ)を決め込んだという俗説が生まれた。 →洞ヶ峠
- 心中重井筒 しんじゅうかさねいづつ 浄瑠璃。世話物。近松門左衛門作。1707年初演。通称「お房徳兵衛」。大坂万年町の紺屋の養子徳兵衛は実兄の営む六軒町の色茶屋重井筒のお房と深く契ったが,金に詰まって高津の大仏殿勧進所で心中する。
- 矢板井筒 防水堰
- 飾り井筒 かざりいづつ ④ 庭園の装飾として,井泉はないが,井桁(イゲタ)や方形,円形の井筒のみを配したもの。
- 井筒業平河内通 いづつなりひらかわちがよい 人形浄瑠璃,時代物の一。近松門左衛門作。1720年初演。業平河内通いの伝説を題材とし,惟喬(コレタカ)・惟仁(コレヒト)両親王の位争いを背景に,業平に対する生駒(イコマ)姫と井筒姫の恋争いなどを描く。
- 筒っぽ つつっぽ ◎ 「筒袖」に同じ。つつっぽう。
- 筒 つつ ②◎ (1)丸く細長く中がからになっているもの。くだ。管。 (2)銃身。砲身。 「―先」 (3)小銃。大砲。 「大―」「捧げ―」 (4)井戸がわ。井筒(イヅツ)。 (5)轂(コシキ)の異名。 (6)俵にさしこんで米や麦を出すために用いる,先をとがらせた竹。米さし。 (7)酒などを入れる竹筒。ささえ。 (8)和船で,帆柱の受け材。 →帆筒 ; どう ① (1)双
- 筒先 つつさき ◎ (1)ホースなどの筒状のものの先。筒口。 (2)銃・砲の口。銃口。砲口。筒口。 「敵に―を向ける」 (3)ホースの筒先を受け持つ消防士。筒口。
- 筑豊炭田 ちくほうたんでん 福岡県北部,遠賀川流域に広がる炭田。1955年(昭和30)頃までは産炭量は日本一であったが,現在はほぼ全炭鉱が閉山した。
- 筒切り つつぎり ◎ まるく長いものを横に切ること。輪切り。 「鯉を―にする」
- 筑豊本線 ちくほうほんせん JR 九州の鉄道線。福岡県若松・直方・原田間,66.1キロメートル。かつては石炭輸送線として繁栄した。
- 筒口 つつぐち ◎ 「筒先」に同じ。
例文
- 境内には伊勢物語にも登場する筒井筒がある。
- 筒井筒(つついづつ、つついつつと読む場合も。
- 瑠璃の弟・融の幼馴染みであり、瑠璃とは「筒井筒」の仲。
- 筒井筒も参照。
- 長野県東筑摩郡山形村下大池の道祖神に「筒井筒」と呼ばれるものがある。
- 筒井筒(龍田山) 大阪府立高等学校教諭 内田美由紀 のサイトの一部。
- 同年6月、「中学世界」に『筒井筒』が第一賞入選、このとき初めて夢二を名乗る。
- 大宮邸には頭中将の娘の雲居の雁もひきとられており、二人は筒井筒の恋を育んでいた。
- 特に幼馴染の男女が再会する展開は『伊勢物語』の「筒井筒」以来しばしば用いられてきた。
- 「喜左衛門」(大徳寺孤篷庵)、「細川」(畠山記念館)、「筒井筒」(個人蔵)などが著名。